【防災士が解説】防災×震度5弱|“本当に危ない揺れ”がここから始まる

震度5弱は家庭被害が一気に増えるライン。
多くの人が立っていられず、家の中の物が倒れ始める。

防災士として断言できるのは、
震度5弱は「命に関わり始める揺れ」 だということ。

ここでは、震度5弱の危険性と家庭での具体的な防災ポイントを解説する。


■① 震度5弱=“人が歩けないほどの強い揺れ”

体感としては次のような状態になる。

● 多くの人が恐怖を感じる
● 立って歩くのが困難
● テレビや食器棚が大きく揺れる
● 扉やガラスが激しく音を立てる
● 机にしがみつきたくなるレベル

→ ここから先は“命を守る行動”が必要。


■② 家具・家電が“倒れ始める”危険ライン

震度5弱から、固定していない物が本格的に倒れ始める。

● 本棚が前に倒れる
● テレビが落下
● 食器棚の扉が開き、中身が飛び出す
● 電子レンジやプリンターが落下
● 花瓶・重い置物が転倒

→ この揺れで倒れなくても、
震度5強・6弱では高確率で転倒する。


■③ ここから“死傷者が出る地震”に変わる

震度5弱は、全国の統計上
「死者・重傷者が出始める階級」 でもある。

● 家具転倒による下敷き
● ガラス飛散による切創
● 倒れたテレビの直撃
● 階段・玄関での転倒

→ 命を守るうえで、家具固定の重要性が最も高まる階級。


■④ 地盤の弱い地域では“震度6弱級”の揺れになることも

揺れの強さは地盤によって倍以上変わる。

● 低地・埋立地
● 液状化しやすい地盤
● 盆地構造の地域

では、震度5弱でも
体感が震度6弱に近い激しい揺れ となることがある。

→ 地盤が悪い家は特に要注意。


■⑤ 震度5弱は“避難を判断するレベル”

直後に次の状態があれば、避難を検討すべき。

● 家の壁に新しい亀裂
● ブロック塀が傾いている
● 食器棚や家具が大きく移動
● 余震が続き、不安定な状態
● ガス臭や異音

→ このレベルから、避難所・車中泊の判断が現実的になる。


■⑥ 子ども・高齢者は転倒・パニックの危険大

震度5弱は、家族の安全確保が難しくなる階級。

● 子ども:泣いて動けない
● 高齢者:転倒・骨折リスク大
● ペット:逃げ回る・隠れる

→ 家庭内での“安全行動ルール”が必須。


■⑦ 震度5弱を経験したら、すぐチェックすべき項目

揺れが落ち着いた直後は確認のチャンス。

● 家具固定は100%完了しているか
● 耐震ラッチ(食器棚のストッパー)はあるか
● ガラス飛散防止フィルムを貼っているか
● 寝室は“倒れるものゼロ配置”になっているか
● 水・食料は“最低1週間以上”あるか
● スマホ充電・モバイルバッテリーの習慣
● ブレーカー遮断の家族ルール(通電火災対策)

→ 震度5弱は“家の弱点”が一気に露わになる揺れ。


■⑧ 過去の大地震でも“震度5弱→本震”の流れが多い

歴史的な地震でも、震度5弱クラスの揺れが
本震の“直前の揺れ”として観測されている。

● 熊本地震(2016)
● 北海道胆振東部地震(2018)
● 能登半島地震(2024)

→ 震度5弱は「次の大揺れの可能性がある」階級。


■まとめ|震度5弱は“家庭被害が急増する危険階級”

この記事の重要ポイントはこちら。

● 歩行が困難な強い揺れ
● 家具・テレビが倒れ始める
● ここから死傷者が増え始める
● 地盤が弱い家は震度6級の揺れになる
● 避難判断の境界ライン
● 家庭の耐震・家具固定の重要性は最高潮
● 次の震度5強・6弱が命に関わる可能性が高い

震度5弱は、
“この先にある本当の危険を知らせる大きなサイン”。

揺れが小さいうちに備えるのではなく、
震度5弱を経験した今こそ、
家庭防災を一気に完成させるタイミングだ。

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