【防災士が解説】防災×地震による災害|“揺れの後に起きる本当の危険”をまとめて理解する

地震は“揺れ”だけの災害ではない。
大きな地震ほど、その後に起きる 二次災害・複合災害 が重大な被害を生む。

この記事では、防災士の視点から
地震によって発生するあらゆる災害 をまとめて分かりやすく整理する。


■① 建物倒壊・家具転倒(最初の数秒で命が失われる)

大地震の最も直接的な被害。

● 木造住宅の倒壊
● 家具・テレビ・冷蔵庫の転倒
● ガラスの飛散
● 老朽家屋は特に危険

→ 死傷者の多くは“倒壊・転倒”が原因。
→ 家具固定と耐震性の確保が命を守る。


■② 火災(通電火災・ガス漏れ・倒壊物による出火)

地震後の火災は非常に多い。

● 電気復旧時の“通電火災”
● ガス漏れ
● ストーブ転倒
● 倒壊した建物からの出火
● 延焼で街区が壊滅することも

→ 阪神・淡路大震災では大火災が発生。
ブレーカーを落とす習慣 が重要。


■③ 津波(最も致死率の高い地震災害)

海溝型地震では津波が最大の脅威。

● 揺れから数分~数十分で襲来
● 高さ10~40m級
● 家屋・道路・車が一瞬で流出
● 遠方でも被害が出る

→ 逃げ遅れ=致命的。
揺れたら即避難 が生存戦略。


■④ 液状化(地面が“泥のように”なる現象)

地震で地盤の砂が液体状になる。

● 家が傾く
● 道路が波打つ
● 下水・水道管が破損
● 車が動かなくなる

→ 埋立地・砂地・湾岸は特に注意。


■⑤ 斜面災害(土砂崩れ・地すべり・山体崩壊)

地震は斜面を崩壊させる引き金になる。

● 家屋が埋没
● 道路が寸断
● 対応が難しい大規模崩壊も
● 雨後の地震は特に危険

→ 山間部や造成地は避難判断を早く。


■⑥ インフラ崩壊(停電・断水・通信不良)

地震後の生活を最も苦しめるのがライフラインの停止。

● 大規模停電
● 断水・ガス停止
● 物流ストップ
● ATMやレジが使えない
● スマホ通信障害

備蓄14日 が現実的ライン。
→ 車のガソリンは“半分以上”。


■⑦ 道路・交通の寸断

強い揺れは交通機能をまとめて破壊する。

● 橋の落下
● 道路の陥没
● 線路が歪む
● 空港滑走路も損傷
● 救助・物資が届きにくい

→ だからこそ、初動は“自力でしのぐ力”が重要。


■⑧ 避難所の混雑・長期化

家が無事でも、生活が続けられないことがある。

● 断水や停電で自宅が使えない
● 寒さ・暑さの中で避難所生活
● 食料不足
● プライバシーが保たれない
● 高齢者の体調悪化が多発

→ 自宅で過ごせる“在宅避難”が最も安全。


■⑨ 原発事故・火山活動など“複合災害”

大規模地震は別の重大災害を誘発することがある。

● 東日本大震災 → 原発事故
● 熊本地震 → 阿蘇山噴火の懸念
● 高圧ガス・化学工場の事故
● 石油タンク火災

単独災害として考えないこと が大切。


■⑩ 地震後の“余震”がさらに被害を拡大

大地震の後には、必ず余震が続く。

● 大きいものは震度6強レベル
● 倒壊寸前の建物が完全崩壊
● 怪我人への追撃被害
● 津波の再発生

→ 余震期は絶対に油断しないこと。


■まとめ|地震は“揺れだけ”の災害ではない

地震によって引き起こされる災害は多岐にわたる。

● 建物倒壊・家具転倒
● 火災・通電火災
● 津波
● 液状化
● 斜面崩壊
● ライフライン停止
● 交通寸断
● 避難所生活の長期化
● 複合災害
● 余震による追加被害

地震は複数の災害を同時に引き起こす“トリガー”。
家庭防災では、揺れの後に何が起きるか を理解して備えることが、命を守る最大の鍵となる。

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