日本の五重塔は、
大地震でもほとんど倒壊した例がないと言われている。
その秘密が「心柱(しんばしら)」。
中心に一本だけ立つ“ゆれる柱”が、
建物全体を守るという先人の知恵だ。
ここでは、この心柱構造から
現代の家庭が学べる防災ポイントを解説する。
■① 五重塔が倒れない秘密=心柱が“揺れを逃がす”
心柱は、塔の中心に通っている縦一本の柱。
固定されておらず、わざと“揺れる”状態になっている。
● 地震の揺れを吸収
● 上下の揺れを分散
● 各層がバラバラに動いて衝撃を逃がす
● ねじれ(捻転)に強い構造
現代で言えば 世界最高峰の免震装置 そのものだ。
■② 「剛構造」ではなく「柔構造」=壊れない理由
心柱の哲学は実にシンプル。
● 固く守るより、しなって吸収する
● “揺れる余地”が倒壊を防ぐ
● 各階が独立して動くことで共振を避ける
これは地震対策の本質であり、
現代でも“柔構造の方が強い”のは同じ。
家具固定も“逃げ道を作る”が基本。
■③ 心柱は実は“建物を支えていない”
心柱は、重さを支える柱ではない。
● 塔の荷重は外周の柱が負担
● 心柱は“振り子の役割”で揺れをコントロール
● 上部が少し動くことで全体を安定させる
重要なのは“支える”のではなく、“揺れを整える”。
これは耐震の考え方として非常に先進的だ。
■④ 家庭で応用できる“心柱の考え方”
心柱の発想は、家庭の防災に置き換えるとこうなる。
● 家具は固定しつつ“倒れない余裕”を作る
● 重い家具は下、軽いものを上へ
● 衝撃吸収素材で揺れを逃がす
● 配線や家電のすき間を作る
● 家具同士を密着させすぎない
「揺れを吸収する構造」が家を守る。
■⑤ 心柱=“共振を防ぐ”先人の知恵
地震で倒壊する主原因は“共振”。
五重塔では、心柱が中心で揺れることで
各層の揺れをズラし、共振を防いでいる。
現代にも通じるポイント:
● 家具の高さをバラつかせる
● 同じ棚を横並びにしない
● 重心を低くして共振しないようにする
「揺れを合わせない」ことが安全につながる。
■⑥ 五重塔は“メンテナンス文化”でも強い
心柱は建てっぱなしではない。
● 木材の交換
● 乾燥や腐食への対策
● 全体のバランス調整
つまり、五重塔の耐震力は
“構造+定期メンテ”で完成する。
住宅も同じで、
耐震診断・補強・劣化点検が命を守る。
■⑦ 心柱から学ぶ“精神的な防災力”
心柱は防災の象徴でもある。
● 一本の軸を持つ
● 柔軟に揺れても折れない
● 外から見えなくても、中心が支える
これは、家庭の防災でも同じ。
・備蓄を軸にする
・避難判断を軸にする
・家族で共有する防災ルールを軸にする
“中心に一本の大きな柱(考え方)を持つ”ことが、
行動を強くする。
■まとめ|心柱は“揺れと共存する日本の最強耐震哲学”
この記事の重要ポイント。
● 心柱は揺れを吸収する日本古来の免震構造
● 固く守るより“柔らかく揺らす”方が倒れにくい
● 共振を防ぐための構造が現代にも通じる
● 家庭では家具配置・固定・避難動線に応用できる
● 耐震は構造だけでなく“メンテナンス”が命
● 防災思想としても“家族の軸”を作ることが大切
五重塔が何百年も生き残ってきた理由は、
心柱が“揺れを味方にする哲学”を体現しているからだ。
その知恵は、現代家庭の防災にも活かせる。

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