焼き肉は家庭での定番料理だが、防災士の視点で見ると
火災・停電・断水・避難生活の備え を考えるヒントが詰まっている。
ここでは、焼き肉という身近な料理から
“家庭の防災レベルを一段上げる方法”を解説する。
■① 火を使う料理=“家庭火災の原因”を理解するチャンス
焼き肉で特に多いのは次の事故。
● 油はねで着火
● コンロ周辺の可燃物に延焼
● 換気不足で火が大きくなる
● コンロの誤操作
これは家庭火災の典型パターン。
焼き肉のときに意識すべきは3つ。
● コンロ周りを空ける
● ファンを強めに回す
● 着火剤・布巾を近くに置かない
普段の“火の取り扱い訓練”として最適だ。
■② カセットコンロは“防災の主力装備”
焼き肉と非常に相性が良いのがカセットコンロ。
これは災害時の最強調理器具。
● 停電でも使える
● 持ち運び可能
● 火力が安定
● ボンベが安い
● 避難先でも使える
家庭で焼き肉をする際に
“カセットコンロの性能チェック”も兼ねると防災力が上がる。
■③ 焼き肉の煙=“換気の重要性”を学ぶ教材
煙がこもると次の危険が出る。
● 一酸化炭素中毒
● 火災時の煙遅延
● キッチン周りの焦げ付着
● のどの刺激
災害時も“煙の扱い”は命に直結するため、
焼き肉は換気の訓練として最適。
● 2方向から風を通す
● 換気扇+窓を併用
● ガス使用中は締め切らない
これが避難所や車中泊でも役立つ。
■④ 焼き肉は“ローリングストック”に最適
焼き肉で使う食材は、ほとんどが防災備蓄と相性が良い。
● 冷凍肉
● カット野菜
● 焼肉のタレ
● 冷凍ごはん
● インスタント味噌汁
「食べながら補充する」
ローリングストックの練習にもなる。
■⑤ ホットプレート焼き肉=停電リスクを再認識
電気で焼き肉をすると、災害時の弱点も見える。
● 停電 → 調理不能
● ブレーカー落ちやすい
● 電気依存が大きい生活に気付く
これをきっかけに
● カセットコンロ
● 防災バーナー
● ポータブル電源
などの“電力代替手段”の必要性が見えてくる。
■⑥ ベランダ焼き肉は“災害時のNG行動”の理解にもつながる
近年問題になっているベランダ焼き肉。
これは防災の観点でも危険行為。
● 火の粉が飛んで火災リスク
● 換気不良で中毒リスク
● 隣家への煙トラブル
● 燃えやすい素材が多い
災害時の“タバコの火”“カセットボンベ管理”に直結するため、
家庭のルールづくりが大切になる。
■⑦ 災害時の“焼き肉スタイル調理”は意外と強い
焼き肉の調理方法は、実は災害時に非常に使える。
● 肉・野菜を焼くだけ
● 包丁いらず
● 調味料が少なくて済む
● 食器がほぼ不要
● 加熱時間が短い
避難所・車中泊・停電時でも実践できるシンプルさは強み。
■まとめ|焼き肉は“家庭防災の教材”になる料理
この記事のポイント。
● 焼き肉は火災リスクの理解に役立つ
● カセットコンロは災害時の主力
● 煙の扱いは非常時にも命を守る
● 食材がローリングストック向き
● ホットプレート依存は停電の弱点
● ベランダ焼き肉は危険性が高い
● 焼き肉式の調理は災害時に強い
焼き肉はただの娯楽ではなく、
“家庭の防災訓練として最適な料理”。
楽しみながら、家庭の防災力を自然と底上げできる。

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