【元消防職員が解説】防災×消防士の食事|“災害現場で動ける身体”を作るための栄養と習慣

消防士の食事は、一般の会社員の食事とはまったく違う。
火災・救急・事故に備えて、
「いつ出動しても動ける身体」と「途切れても困らない食べ方」 を意識している。

ここでは、消防士の食事がどのように構成されているのかを解説する。


■① 食事は“出動に備えた栄養補給”という位置づけ

消防士の食事は、楽しむ時間というより 業務準備の一つ

● 重い防火服(10〜20kg)を着る
● 階段・ハシゴ・屋内進入
● 救急・搬送で体力消耗
● 夜中の出動で体力が落ちる

このため、消防士の食事は
“体力を維持するための燃料補給”
という捉え方が強い。


■② 消防士の食事の特徴(出動前提のメニュー)

消防士の食事は、災害対応を考慮してつくられる。

● 消化の良いもの
● すぐ食べ終えられるもの
● 途中で中断しても大丈夫な量
● 脂っこすぎないもの
● 水分が取りやすい料理

典型的な消防署の夕食メニューは…

● うどん
● カレー
● 豚汁
● 炒め物
● 丼もの
● 野菜炒め
● 肉じゃが

これらは「早く作れて、早く食べて、出動しても身体が重くならない」メニュー。


■③ 消防署の食事は“隊全員で作る”

消防署の食事はほぼ手作り。

● 班で分担して調理
● 食材は当番が買い出し
● 一緒に並んで食べる
● 食事中に鳴動 → 全員速やかに出動

消防署は 共同生活のプロ集団
食事も”連携訓練”の一部になっている。


■④ 食事中に出動は“ほぼ毎日”

消防士あるある。

● 食べかけのカレーを残して出動
● 麺が伸びる
● ご飯が冷える
● 戻ってきたら食堂が静まり返っている
● 3回温め直す日もある

休憩同様、食事も 中断前提の生活

「ゆっくり味わう」という概念は基本存在しない。


■⑤ 24時間勤務では“夜食”が非常に重要

夜中の出動は体力を大きく奪うため、夜食の備えも重要。

● おにぎり
● バナナ
● カロリーメイト
● カップ麺
● プロテインバー
● 味噌汁

これらは“災害活動の燃料”。
消防士は夜中に一気に体力を使うため、
夜食=命を守るための栄養補給 になる。


■⑥ 食事は“災害時の家庭防災”にも応用できる

消防士の食事スタイルはそのまま家庭防災に役立つ。

● 消化の良いものを常備
● 水分補給しやすい食べ物
● すぐ食べられる物をストック
● 温めず食べられる食品を確保
● カロリー&塩分のバランス

消防士の考え方はそのまま在宅避難に使える。


■⑦ 食べ物より大事なのは“出動できる身体”

消防士が意識するのは2つ。

● ① いつ災害が来ても動ける身体
● ② 長時間活動に耐えられる体力

消防士にとって食事は
仕事と命を守るための戦略

ダイエットや嗜好より
「災害に強い身体づくり」が優先される。


■まとめ|消防士の食事は“災害への準備食”

この記事のポイント。

● 消防士の食事は“災害活動のための燃料補給”
● 中断を想定した食べ方が前提
● 消化の良い・早く食べられるメニューが多い
● 夜食は夜間出動に備えた重要戦略
● 食事づくりも班の連携を生む訓練の一部
● この食事スタイルは家庭防災にも応用できる

消防士の食事は、
ただの食事ではなく “命を守る準備の一部”

その考え方は家庭防災にとっても、とても価値がある。

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