【元消防職員が解説】防災×消防士のトレーニング|“強い体”ではなく“動き続けられる体”を作る実戦型メソッド

消防士のトレーニングは、一般的な筋トレとはまったく異なる。
火災・救助・救急…どの現場でも求められるのは、

「重装備で動き続けられる体」 「瞬時に判断して身体を動かす力」 「極限環境でもパフォーマンスを維持する能力」

そのため、消防士のトレーニングは“現場仕様”になっている。

ここでは、消防士が実際に行うトレーニングを解説する。


■① 消防士の体力は“現場持久力”が最重要

消防士の現場は長時間の連続作業になる。

● 30kg以上の防火衣・空気呼吸器
● 暑さ40℃以上の屋内活動
● 深夜でも全力で動く
● 何度も階段昇降
● ホース・資機材を持ちながら走る

だから鍛えるべきは、

「スタミナ・耐熱性・全身連動」

筋肉量より“動ける体”を作るのが本質。


■② 階段トレーニングは消防士の基本メニュー

消防署でも消防学校でも必ず行われるのが階段訓練。

● 消防服+空気呼吸器で昇降
● 1段飛ばし
● ダッシュ → 休憩 → ダッシュ
● 重い資機材を持って昇る

火災現場の階段は“最も過酷な場所”。
だからこそ 消防士の階段トレは命を守るための基礎


■③ ホース&資機材を使った負荷トレーニング

消防士は現場で扱う物も“重い”。

● ホース束(約10kg)を持って走る
● スプレッダー(20〜30kg)を持ち上げる
● 担架を持って走る
● ハンマーで叩く訓練

筋トレというより“現場動作そのもの”。

重い物を動かす体は、重い物で鍛えるという発想。


■④ サーキットトレーニングで“瞬発+持久”を同時に鍛える

消防士は短時間で心拍数が上がる。

サーキットは以下のような流れで行う。

● ハンマー打ち
● 階段ダッシュ
● ダミー人形引き
● ホース引き
● 体幹トレーニング

1つ1つは短いが、
脈が上がった状態で動き続ける能力が身につくため効果が高い。


■⑤ 体幹トレは「姿勢保持」と「怪我予防」が目的

消防士は防火衣で重心が狂うため、体幹が非常に重要。

● プランク
● サイドプランク
● ひざ立ちロープ引き
● ブリッジ
● バランストレーニング

特に火災現場では
中腰・前傾姿勢が長時間続くので体幹が必須。


■⑥ ランニングは“心肺機能+精神力”両方の訓練

消防士の走力は、火災現場の生還率と比例する。

● 5kmジョグ
● 坂道ダッシュ
● インターバル走
● 隊全体でのランニング

現場で“最後まで動ける消防士”は、
たいてい 心肺能力が強い


■⑦ 実戦型の“現場想定フィットネス”が増えている

最近は消防署でも“ファンクショナルトレーニング”が増加。

● バトルロープ
● ケトルベル
● タイヤフリップ
● サンドバッグ運搬
● アジリティラダー

これらは消防士の動きと相性がよく、
瞬発・連動・持久を同時に鍛えられる


■⑧ トレーニングの本質は“資機材を正確に扱うため”

消防士のトレーニングは単なる体作りではない。

● 正確にホースを保持する
● 迅速に資機材を扱う
● 仲間を支えられる体力
● 酸欠ポイントでも活動できる呼吸力

体力=安全力 技術=命の綱 判断力=現場の生死

消防士はこれらを限界ギリギリまで高める。


■まとめ|消防士のトレーニングは“命を守る総合力”

この記事のポイント。

● 消防士は筋肉より「現場持久力」を鍛える
● 階段訓練は最強の消防トレ
● ホース・資機材で現場動作そのものを鍛える
● サーキットで疲労状態での動きを習得
● 体幹は怪我予防・姿勢保持に必須
● ランニングは心肺+精神力を育てる
● 実戦型トレーニングが増えている
● “鍛える目的は、自分と仲間の命を守るため”

消防士のトレーニングは、
強さではなく “動ける体と折れない心” を作るもの。

それが現場の防災力を最大限に高めていく。

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