【防災士が解説】防災×大津波災害③|学校・職場・通勤中に襲われた場合“家族が離れている時の守り方”

津波はいつ発生するかわからない。
学校、職場、運転中、買い物中──
家族が「離れた状態」で被災することがほとんどだ。

ここでは、防災士として
“家族バラバラで津波が来た時に、どう命を守るか”
を徹底解説する。


■① 学校で津波が発生した場合(子どもを迎えに行ってはいけない)

津波災害で最も多い誤りは、

「子どもを迎えに行く」行動。

これは絶対にやってはいけない。

理由は明確。

● 迎えに行く途中の道路が最も危険
● 学校は集団避難の体制が整っている
● 保護者も子どもも双方が危険になる
● 車で押しかけることで渋滞・避難妨害になる

学校の避難行動は非常に優秀だ。

● 高台へ集団避難
● 複数の避難ルート
● 校舎の3階以上への避難
● 先生が人数確認しながら誘導

“学校に任せる”ことが子どもを救う最善策。


■② 職場で津波が発生した場合(まず自分の安全を確保)

職場で被災した時、
最優先は “自分の生命線を守ること”

● 高層階に避難できるか
● 高台まで徒歩で逃げられるか
● ビルの耐震性は問題ないか

津波警報が出ているのに
「帰宅しよう」という判断は危険。

特に海沿いの職場では、

● エレベーターは使わない
● 階段で上昇
● 屋上への避難ルートを知る
● 指示がなくても自主避難

が命を守る行動になる。


■③ 通勤中・運転中に津波が来た場合(車は捨てて逃げる)

津波災害で最も多い死亡要因の一つが “車に固執すること”

● 海沿い道路
● 川沿い道路
● 橋付近
● 低地の交差点

これらは津波の到達が速い。

津波警報・大津波警報が出たら、

→ 車は捨てる。 → 徒歩で高台へ向かう。

これが命を守る唯一の行動。

車の中は“水が来たら脱出不能”。
水深50cmで車は流され、
1mでほぼ確実に横転する。


■④ 駅・電車内で津波が起きた場合(地下は絶対に避ける)

鉄道利用中に津波が発生した場合は以下。

● 地下街・地下駅には絶対近づかない
● 地上へ最短ルートで移動
● 駅員の誘導に従う
● 線路を歩いて避難する場合もある(指示があれば)

地下空間は津波が来たら 数分で水没 する。

東日本大震災では、
地下鉄構内に津波が流れ込み、
危険が極めて高いことが確認されている。


■⑤ 海沿いのショッピングモール・観光地での行動

商業施設は広い分、

● どこから階段へ行くか
● 屋上に避難可能か
● 非常口はどこか

これを知らないと避難が遅れる。

海沿いの人気スポットは、
津波時に“最も混乱する場所”のひとつ。

→ エレベーターは使わない → 一番近い階段へ → 3階以上へ避難 → 外より建物内の上階が安全

が基本になる。


■⑥ 家族バラバラで被災した場合の“再会ルール”を必ず決めておく

津波は通信障害が必ず起きる。

● 回線の輻輳
● 停電
● 基地局の損壊
● スマホ電池切れ

だからこそ、
“連絡が取れない前提”で備える必要がある。

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