大津波は“速い・重い・逃げる時間が短い”。
そのため、逃げ遅れやすいのが
● 高齢者
● 障がいのある人
● 赤ちゃん・幼児
● 妊婦
● 介助が必要な家族
ここでは、防災士として
“弱者と一緒に津波から逃げ切るための具体策”
を徹底解説する。
■① 高齢者は“歩行スピードが半分以下”。早期避難が必須
高齢者は若年層に比べて、
避難スピードが 約1/2〜1/3 に低下する。
● 足が上がらない
● 歩幅が小さい
● 転倒しやすい
● 方向転換に時間がかかる
津波は数分で来る地域も多い。
だからこそ、
→ 揺れた瞬間に避難開始 → 他の家族の帰りを待たない → 避難ビルへ最短で向かう
この3つが絶対条件。
■② 車椅子・杖歩行の家族は“水平避難は危険”。垂直避難が基本
車椅子など移動に支援が必要な家族は、
海側・川沿いの道路を移動するのは極めて危険。
● 車椅子は坂道・砂利で動かない
● 濁流や漂流物に巻き込まれやすい
● 道路渋滞で逃げ切れない
そのため、
“近くの高い建物へ上がる”=垂直避難
が基本になる。
● 最寄りの津波避難ビル
● マンションの高層階
● 頑丈なビルの3階以上
移動距離は短いほどよい。
■③ 乳幼児は“抱っこ避難”が基本。ベビーカーは使わない
津波避難ではベビーカーは危険。
● 階段で使えない
● 路面の段差で詰まる
● 押している間に手が塞がる
● 片手しか使えずバランスが悪い
必ず、
→ 抱っこ紐 → おんぶ紐 → スリング
を使う。
両手が自由になることが重要。
さらに、乳幼児家庭は
● ミルク
● オムツ
● おしりふき
● 着替え
“最低1日分”の持ち出し袋を玄関に置くのが理想。
■④ 妊娠中の方は“階段避難の補助”と“靴の選択”が命を守る
妊婦さんは避難で転びやすく、
● 足元が見えない
● バランスが崩れやすい
● 階段が怖い
● 疲労しやすい
これらの特徴がある。
対策はこの3つ。
● スニーカー・ランニングシューズを玄関に固定
● 腕を支えながらゆっくり階段避難
● 上階に着いたらすぐ座って休む
“靴の準備”だけで避難スピードが大きく変わる。
■⑤ 認知症の家族は“避難誘導の声かけ”がカギ
認知症の家族がいる場合、
避難時は混乱しやすい。
● 音に驚く
● 避難を拒否する
● 部屋に戻ろうとする
● 手を振り払うことがある
効果的な声かけは、
「一緒に行こう」「ここにいたら危ないよ」 “短く・優しく・ゆっくり”伝える。
怒声・大声は逆効果。
■⑥ 介助者(家族)が疲れて逃げ遅れるケースも多い
津波避難では、
● 高齢者を支える
● 乳幼児を抱える
● 障がいのある家族を押す
これらにより、介助者自身の移動速度も低下する。
そのため、
→ 家族で「誰が誰をサポートするか」を事前に決める → 一人で二役はしない → 避難ビルの位置を複数把握する
これが重要になる。
■⑦ 津波避難ビルは“弱者避難の最重要ポイント”
弱者避難に必須なのが 津波避難ビル。
● 海から遠くなくてもOK
● 高さを確保できる
● 3階以上が安全
● 階段で行ける
● 津波想定区域内の命綱
家族全員が、
「最寄りの津波避難ビルの位置」 「どの階まで上がるか」
を今日決めておくべき。
■⑧ 弱者避難は“地域の助け合いが命を救う”
実際の津波では、
● 近所の人が車椅子を押した
● 隣人が子どもを抱えて逃げた
● 高齢者を支えながら階段を駆け上がった
こうした“コミュニティの力”で助かった命が多い。
防災士として断言する。
弱者避難は“家族だけで守る”ではなく “地域で守るもの”。
日頃から声をかけあえる関係が、
津波のときに命の差になる。
■まとめ|大津波で最も重要なのは“弱者を優先して逃がす仕組み”
この記事のポイント。
● 高齢者はスピード低下のため早期避難が必須
● 車椅子は水平避難が危険。垂直避難が最優先
● 乳幼児は抱っこ紐が必須。ベビーカーは使わない
● 妊婦は靴と階段補助が重要
● 認知症の家族は“短く優しい声かけ”
● 家族の役割分担で逃げ遅れを防ぐ
● 津波避難ビルは弱者避難の最強スポット
結論:
弱者がいる家庭は“避難ルートの事前共有”で生存率が数倍変わる。 家族それぞれの特性に合わせた津波避難計画こそ、最強の防災。

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