12月は気温が一気に下がり、乾燥が進み、年末特有の忙しさが重なる月。
その結果、火災・事故・停電・ヒートショックなど、見落とされがちなリスクが増える。
ここでは、防災士として
“12月に家庭が必ずやっておくべき安全対策”を具体的に解説する。
■① 年末大掃除は“火災前にやるべき防災行動”
大掃除は単なる掃除ではなく、火災予防の絶好のチャンス。
次の場所は必ず年内に清掃したい。
● コンセント・電源タップ
● 換気扇の油汚れ
● ガスコンロ周り
● エアコンフィルター
● 電気ヒーターのほこり
● コタツ内部
12月の火災は「ほこり＋乾燥＋暖房」の組み合わせで起きる。
防災士として言いたいのは、
“大掃除＝家庭の火災対策” “油とほこりは燃える”
これを強く意識してほしい。
■② 年末の“疲れと焦り”が事故を増やす
12月はとにかく慌ただしい。
● 仕事の追い込み
● 子どもの行事
● 年末の買い物
● 運転距離の増加
● 忘年会や会食
このすべてが“判断力の低下”につながる。
事故が増えるポイントは以下。
● 年末の交差点
● 商業施設の駐車場
● 自宅階段・玄関
● 料理中（焦がす）
● 脚立使用中の転落
「疲れている12月こそ、普段以上に慎重に」
これが年末事故から身を守る最大の心得。
■③ 寒波と乾燥による“冬の停電”は命に直結する
12月の寒波は毎年増えており、
「気温−5℃以下×強風」の条件になると停電が起きやすい。
停電時の危険は、
● 暖房停止 → 室温が急低下
● 高齢者は低体温症に
● 給湯器・水道管が凍結
● 暗くなることで怪我が増える
家庭で備えるべきは、
● モバイルバッテリー
● 乾電池
● 懐中電灯
● カイロ・毛布・寝袋
● カセットコンロ
● キャンプ用ランタン（火気注意）
冬の停電は“1〜2時間でも危険”。
暖を取る備えができている家は強い。
■④ 12月は“ヒートショック”の危険性が急上昇
冬の家庭内事故で最も死者が多いのがヒートショック。
● 脱衣所が寒い
● お風呂が熱すぎる
● 体が冷えている
● 血圧が急上昇・急下降
12月はこの条件がすべて揃う。
防災として必要なのは、
● 脱衣所をヒーターで温める
● お湯は41℃以下
● 入浴前後にゆっくり動く
● 高齢者は一人で入らない
室内の寒暖差をなくすこと＝命を守る防災。
■⑤ 年末は“調理火災”が倍増する
12月は料理の機会が増える。
● 鍋
● 揚げ物
● おせち準備
● パーティーメニュー
特に焦げやすい・油が飛びやすい。
火災の実例で多いのは、
● ちょっと目を離した瞬間に発火
● アルミホイルの誤使用
● コンロ付近のキッチンペーパー
● ガスボンベがストーブの近くにある
12月の調理は
「人が多くて話す → 油断が増える」のが危険。
火のそばを離れない。 離れるなら必ず“火を消す”。
■⑥ 年末帰省で“備蓄が空っぽになる”危険
12月は帰省が多いため、家庭の備蓄を切らしがち。
● 水
● カセットボンベ
● トイレットペーパー
● 食品ストック
● 電池
● 灯り
帰省前に冷蔵庫を空にする家庭が多いが、
このタイミングで災害が起きると“備蓄ゼロ”状態になる。
防災士として推奨したいのは、
帰省前に非常食を“別枠”で残しておくこと。
いわゆる 帰省欠損リスク に備える発想だ。
■⑦ クリスマス・年末イベント中は“火災・事故の特殊リスク”
12月のイベントは意外な危険がある。
● イルミネーションのコード劣化
● 電源タップの過熱
● キャンドルの転倒
● 人混みでの転倒・迷子
● 公園での風事故（風船・装飾物）
特にLEDライトの延長コードは
「古いものが発火する」事例が増えている。
年に1度しか使わない装飾品ほど危ない。
■まとめ｜12月は“忙しさ＋寒さ＋乾燥”が災害を呼ぶ月
この記事のポイント。
● 大掃除は火災予防の最大チャンス
● 年末の疲労と焦りが事故を増やす
● 寒波＋停電は命の危険
● ヒートショックは12月から急増
● 調理火災が多い
● 帰省で備蓄が空にしやすい
● 12月イベントは火災・事故の特殊リスクあり
結論：
12月は「冬の災害の初動」と「年末の油断」が重なる危険月。 火災対策・防寒・備蓄の3つを整えれば、 年末の家庭防災は一気に強くなる。
コメント