【防災士が解説】防災×12月④|“年末特有の環境変化”が家庭に潜む見えないリスクとは?

12月は“季節の変化+生活の変化”が同時に起こる月。
気温低下・乾燥・寒波だけでなく、生活スケジュールそのものが乱れやすいため、
普段よりも事故やトラブルが増える。

ここでは、防災士として
“12月が特に危険になる理由”を、生活環境の変化という視点から解説する。


■① 部屋の“湿度低下”が火災・健康被害の両方を招く

12月は暖房使用が本格化し、室内湿度が一気に下がる。

湿度が40%を切ると起きやすいのが、

● 静電気による火花 → 火災誘発
● のどの乾燥 → 風邪・感染症
● 皮膚の乾燥 → かゆみ
● 加湿器フィルターのカビ

特に静電気は “ガソリン・暖房器具・紙類” と相性が悪く、
わずかな火花で引火するケースがある。

対策はシンプル。

● 室内の湿度40〜60%を維持
● 加湿器フィルターの掃除
● 濡れタオルの室内干し
● 暖房器具の近くに可燃物を置かない

乾燥は“火災と健康リスクの両方を悪化させる”要因である。


■② 12月は“夜の外出・運転”が増えて事故リスク上昇

12月は日照時間が最も短く、暗くなるのが早い。

そこに、

● 夜の買い物
● 忘年会
● 送迎
● 年末残業

が加わり、“夜の運転時間が一年で最も長くなる”。

夜の運転が危険な理由は、

● 視界が悪い
● 凍結が見えない
● 歩行者が見えにくい
● 反応速度が落ちている

特に子どもや高齢者は黒っぽい服が多く、発見が遅れる。

家庭の対策としては、

● 夜の運転は速度を落とす
● 車のライトを早め点灯
● 歩行者も明るい色の服を
● 子どもには反射材グッズ

12月は“暗い時間帯の事故”が圧倒的に増える。


■③ 暖房費節約で“低温ストレス”が健康を悪化させる

12月は光熱費が上がるため、
暖房を控える家庭が多い。

だが、室温が低いと起きるのが、

● 睡眠の質低下
● 免疫力低下
● 体のこわばり
● ヒートショック予備軍の発生

防災士として言いたいのは、

「節約しすぎは健康リスク」

室温の目安は、

● リビング:18〜20℃
● 寝室:16℃以上
● 脱衣所・トイレ:15℃以上

電気毛布や湯たんぽも
“低コストで体感温度を上げる最強アイテム”。


■④ 年末の“家庭内ストレス”がトラブルを増やす

12月は、

● 年末の行事
● 大掃除の負担
● 仕事のプレッシャー
● 親戚対応
● 子どもの冬休み準備

これらが重なり“家族のストレス”が増える。

ストレスが増えると、

● 不注意
● 物の落下
● 家での転倒
● 見落としによる火災

という“ミスによる事故”が多発する。

対策はシンプル。

● 大掃除を小分けにする
● 家族で役割分担
● 無理なスケジュールにしない
● イライラしたら休む

12月は“心の余裕がそのまま防災力になる”。


■⑤ 年末の“ゴミの量増加”は火災リスクを上げる

12月はゴミの量が増えやすい。

● 段ボール
● 包装紙
● 古本
● 可燃ゴミ
● 大掃除での不用品

これらが室内に積み上がると、
“延焼しやすい家”になる。

特に暖房器具の近くに置くと危険。

● ストーブ
● ヒーター
● コタツ
● ホットカーペット

火災現場でも実際に、
“段ボールが火元”になる事例が増えている。

年末は 「ゴミをためない=火災を減らす」 という意識が重要。


■まとめ|12月は“生活リズムの乱れ”が災害につながる月

この記事のポイント。

● 乾燥が火災も健康被害も悪化させる
● 夜の外出・運転が増えて事故が急増
● 暖房節約で体調不良・低体温が起きる
● 年末のストレスは事故の引き金
● 段ボール・ゴミが火災を呼ぶ

結論:

12月は「季節変化×生活変化」が同時に起きる危険月。 湿度管理・夜間の安全対策・暖房と体調管理を整えれば、 12月の家庭防災は圧倒的に強くなる。

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