【防災士が解説】防災×12月⑦|“家の劣化・設備トラブル”が一気に顕在化する月の危険ポイント

12月は気温・湿度が大きく変化するため、
家や設備の“隠れた劣化”が突然トラブルとして表面化しやすい。

ここでは、防災士として
“12月に壊れやすい家の設備・構造”という視点から、
家庭が注意すべきポイントを解説する。


■① 経年劣化した“暖房器具・電気機器”が一気に故障しやすい

12月は暖房器具の使用が始まるため、
1年間眠っていた機器が動き出す。

劣化が進んでいる場合、

● スイッチが入らない
● 異臭
● 焦げた匂い
● 内部のほこりが発火
● 電源コードの断線
● ファンヒーターの不完全燃焼

などのトラブルが突然起こる。

家庭で必ず行いたいのは、

● 暖房器具の“初回運転チェック”
● ほこり除去
● 電源コードの亀裂確認
● 古い延長コードを使用しない

特に 10年以上使用している暖房器具は注意
冬の火災原因の上位に入る。


■② 12月は“電気の消費量が急増”し、ブレーカー落ち問題が増える

暖房+調理+家電フル稼働により、
12月は家庭の消費電力が年間でもトップクラスに増える。

結果として、

● ブレーカー落ち
● 電源タップの過負荷
● コンセントの発熱
● 劣化した配線が焦げる

という危険が高まる。

特に年末は、

● こたつ
● 電気ヒーター
● ホットカーペット
● 加湿器
● 電気鍋

など“同時使用”が増えるため要注意。

防災としては、

● 電源タップの“合計W数”を把握
● タコ足配線を避ける
● ヒーター系は壁コンセント優先

が重要となる。


■③ 屋根・外壁・雨樋の劣化が“12月の風”で一気に悪化

12月は風が強まり、
家の外部構造の弱点が出やすい。

● 雨樋の外れ
● 屋根瓦のズレ
● 外壁のひび割れ
● ベランダの物が飛ぶ
● 物置が倒れる

これは“秋の台風で傷んだ箇所が冬に悪化する”ため。

冬の風は乾燥して軽いため、
意外と飛散物が多くなるのが12月の特徴。

家庭では、

● ベランダの荷物を減らす
● 屋根・外壁の軽いチェック
● 雨樋の落ち葉を掃除
● 飛散しそうな物を固定

を年末前に行いたい。


■④ 換気扇・レンジフード・ガス機器が“年末に壊れる”理由

12月は大掃除・年末料理により、
キッチン設備が最も酷使されるシーズン。

特に故障しやすいのは、

● 換気扇
● レンジフード
● ガスコンロ
● 給湯器

原因は単純で、

「1年分の汚れ+冬の低温が重なる」 から。

換気扇が止まると、

● 一酸化炭素中毒
● 調理中の火災
● 換気不足による体調悪化

など、重大なトラブルに繋がる。

12月のおすすめ対策は、

● 大掃除時に換気扇を分解洗浄
● 給湯器周りを掃除
● コンロの油汚れを落とす

キッチンは火災リスクの中心なので要注意。


■⑤ 水道管・給湯器は“12月初頭”に最も故障する

12月は“凍結+老朽化”の二重のダメージが起きる。

特に壊れやすいのは、

● 屋外の水道管
● 張り出したベランダの管
● 北側の給湯器
● 古い配管(築30年以上)

故障すると、

● 水が出ない
● 給湯器停止
● 漏水・浸水
● 修理待ちが長い(年末で混む)

という状況になる。

家庭の凍結対策は、

● 蛇口“ちょろ出し”
● 断熱材を巻く
● 給湯器カバー
● 外のホースを外す

特に12月上旬が最も壊れやすい時期


■⑥ ベランダの“物干し・植物・DIY用品”が冬の風で飛ばされる

12月は強風が増えるため、
軽いものが簡単に飛ばされる。

● 観葉植物
● 植木鉢
● 物干し竿
● 収納ボックス
● DIY資材
● キャンプ道具

飛来物は、自宅だけでなく
“隣家の窓や車を破壊する”ケースも多い。

12月前にやるべきは、

● ベランダの物を減らす
● 収納ボックスを固定
● 植木鉢は室内 or 低い位置へ
● 物干し竿を外す
● 強風予測の日は要注意

冬のマンションでは特に重要。


■まとめ|12月は“家の弱点”が一気に表面化する月

この記事のポイント。

● 暖房器具は初動の不具合が火災に直結
● 消費電力増加でブレーカーや配線の事故が増える
● 屋根・外壁・雨樋は冬の風でトラブルが起きやすい
● 換気扇・コンロ・給湯器は12月が最も故障しやすい
● 水道管・配管の凍結は12月初頭が最大の危険
● ベランダの飛散物は隣家トラブルにも発展

結論:

12月は“気温の変化で家の弱点が露出する月”。 家と設備の点検をするだけで、冬の災害に強い家庭に生まれ変わる。

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