ガスが止まると、多くの家庭は
「調理ができない」だけだと思っている。
しかし実際は、
● お湯が出ない
● お風呂に入れない
● 暖房が止まる（ガス暖房）
● 洗い物ができない
● 衛生環境が悪化
● 体調を崩しやすい
と、“生活の柱”そのものが崩れる重大災害だ。
ここでは、防災士として
“ガス停止が起きた時の被害と、事前に家庭がしておくべき備え”
を詳しく解説する。
■① 冬のガス停止は“お湯が出ない＝生活不能”を意味する
ガスが止まると、最も深刻なのが 給湯の停止。
● お風呂に入れない
● 手洗い・食器洗いがつらい
● 乳幼児の沐浴が不可能
● 高齢者の衛生状態悪化
冬は水温が低く、
冷水のみの生活は数日でも大きな負担になる。
家庭で事前に準備したいのは、
● 体拭きシート
● ドライシャンプー
● 使い捨てタオル
● 加熱不要の食品
“お湯が使えない生活”に備える視点が重要。
■② ガスストーブ・ガスファンヒーターは一切使えなくなる
ガス暖房は停電よりも深刻で、
ガス停止の瞬間に 暖房が全滅 する。
● 室温が下がる
● 冬は低体温リスク
● 高齢者・乳幼児は特に危険
特に寒波と重なると、
“ガス停止→寒冷災害”に直結する。
代替暖房として、
● 電気毛布（停電時対策にポタ電併用）
● カイロ
● 断熱カーテン
● 毛布・寝袋
● 湯たんぽ（※やけど注意）
● こたつ
ガス暖房依存家庭は、
“第二の暖房手段”を必ず持っておきたい。
■③ 調理手段がゼロになる。カセットコンロが命を救う
ガスが止まると、キッチンのほぼ全機能が停止する。
● ガスコンロが使えない
● レトルトの湯煎もできない
● 鍋料理ができない
● 料理が冷たくて衛生面も悪化
停電と違い、ガス停止は
「家庭の火」が完全に奪われる災害。
必ず必要なのは、
● カセットコンロ
● カセットボンベ 6〜12本
● 加熱不要の食品（パン・缶詰など）
● お湯なしで食べられる非常食
カセットコンロは“家庭防災の必需品”。
災害で最初に役立つ調理手段である。
■④ ガスメーターの安全装置が作動して止まるケースが多い
ガスが止まった場合、
● 地震の揺れ
● 大雪での振動
● ガス圧の低下
● メーターの安全機能発動
これらで 自動停止 していることがある。
復帰手順は簡単。
- ガス機器を全て止める
- ガスメーターの“復帰ボタン”を押す
- 2分ほど待つ
- ガス機器を順に点火
これだけで復旧する家庭も多い。
ただし、
ガス臭い場合は絶対に操作しない。
（通報が最優先）
■⑤ 冬は“ガス管・給湯器の故障”が原因の停止が増える
寒波時はガス機器が壊れやすい。
● 給湯器の凍結
● ガス管の凍りつき
● バルブ凍結
● 給湯器エラー表示
特に給湯器は凍結すると
ガス停止と同じ状況 になる。
対策は、
● 給湯器の電源は絶対切らない
● 配管の保温材
● 寒波前の給湯器カバー
● 蛇口ちょろ出し
ガスが通っていても、
“給湯器が凍結して使えない”ケースが非常に多い。
■⑥ ガス停止が長期化すると“衛生環境が悪化”する
ガス停止は“お湯が使えない災害”なので、
衛生環境がどんどん悪化する。
● 手が冷たく洗えていない
● 食器が洗えない
● 風呂に数日入れない
● 体臭・菌の繁殖
● 子どもが体調を崩しやすい
だからこそ準備すべきは、
● アルコールシート
● 体拭きタオル
● 紙皿・紙コップ
● ラップ（皿の上に敷いて再利用）
● 水の備蓄（お湯が作れないので重要）
“ガス停止で一番困るのは衛生”という意識が大切。
■⑦ マンションはガス停止が起きやすい
マンションはガス設備が集中しているため、
● ガス圧の低下
● メーターの一斉停止
● 給湯器の凍結
● 屋外配管の凍結
など“広範囲停止”が起きやすい。
特に高層
コメント