車中泊は「便利な避難手段」のように思われがちだが、
実は 準備不足の車中泊ほど危険な行動はない。
● 冬の低体温症
● ガス欠
● CO中毒
● トイレ不足
● 食料・水不足
● 体調悪化
● 立ち往生時の長時間拘束
これら複数のリスクが“同時に”襲う可能性がある。
ここでは、防災士として
“命を守るための安全な車中泊の基礎”
をわかりやすくまとめる。
■① 冬の車中泊は“低体温症”が最大の敵
冬の車中泊は家よりはるかに寒い。
● 車は断熱性が低い
● 金属が冷気を伝えやすい
● 停電・立ち往生で暖房が止まると危険
特に危険なのは夜中の2〜4時。
気温が最も下がる時間帯で体温が奪われる。
必須の防寒装備は、
● 寝袋（冬用）
● 毛布
● カイロ
● ダウンジャケット
● アルミブランケット
● ニット帽・手袋
“布団だけ”では絶対に足りない。 車中泊は装備で生存率が決まる。
■② エンジンかけっぱなしは危険。“CO中毒”が毎年発生
冬の車中泊で毎年起きるのが 一酸化炭素中毒。
● 排気口が雪で塞がれる
● 風向きによって排気ガスが車内へ
● 眠っていると気付かない
● 子どもは特に危険
対策はシンプル。
● 雪の日はエンジンをかけっぱなしにしない
● 排気口周りを常に除雪
● 暖を取るのは“エンジン以外の方法”も準備
特に寒波・豪雪時は致命的リスク。
■③ 車の“ガス欠リスク”は想像より高い
立ち往生が6時間以上続くと、
ガソリンが尽きて暖房が使えなくなる。
● 暖房切れ → 低体温症
● スマホ充電不可
● 脱出不能
大雪での車中泊は 燃料が命。
● ガソリンは常に半分以上
● 冬は早め早めの給油
● ポータブル電源でスマホ充電
“燃料の余裕＝命の余裕”。
■④ トイレ問題を軽視すると必ず困る
車中泊で一番困るのは“トイレ”。
渋滞・立ち往生で
トイレが見つからないと苦痛だけでなく危険にもなる。
必ずこれを積む。
● 携帯トイレ（人数×3〜5回分）
● ビニール袋
● トイレットペーパー
● 除菌シート
災害車中泊の必須装備。
■⑤ 食料・水の“最低1日分”は命を守る
車中泊ではコンビニもスーパーも閉まる可能性がある。
最低限必要なのは、
● 水（1人2L）
● エナジーバー
● カロリーメイト
● ナッツ類
● 缶詰
● 子どものおやつ
“食べられるものがある”だけで体力・気力が維持される。
■⑥ 窓の結露は“低体温＋湿気”の原因になる
車中泊では窓の結露が必ず起きる。
● 寒さを呼び込む
● 湿気で体温低下
● 荷物が濡れる
防ぐ方法は、
● サンシェード
● 窓にタオルを挟む
● 結露吸水シート
● こまめな換気
車は“湿気がこもる密室”。
湿気対策は必須。
■⑦ 車中泊は“姿勢の悪さ”が体調不良を招く
車で寝ると、
● 足がむくむ
● 血流が悪くなる
● 腰痛
● エコノミー症候群
災害時に体調を崩すと致命的。
● 膝を伸ばせる姿勢
● 1〜2時間ごとに体勢を変える
● 足を高くして寝る
これだけで身体トラブルを防げる。
■⑧ 子ども・高齢者は車中泊に弱い
特に注意すべきは以下。
● 子ども：体温の変動が大きい
● 乳幼児：眠りが浅い・寒さに弱い
● 高齢者：低体温・関節痛・頻尿
家族で車中泊をする場合、
● 子どもは必ず“防寒優先”
● 高齢者は“姿勢と暖かさ”を重視
● ミルク・オムツは多めに準備
車中泊は“家族の弱者ほど危険度が高い”。
■まとめ｜車中泊は“準備していれば安全・準備不足なら危険”
この記事のポイント。
● 冬の車中泊は低体温症リスクが非常に高い
● エンジンかけっぱなしはCO中毒の危険
● ガソリンは常に半分以上
● トイレ・食料・水は必ず車に積む
● 結露対策が冬の体温管理を左右する
● 姿勢の悪さはエコノミー症候群の原因
● 子ども・高齢者は車中泊に弱い
結論：
車中泊は“安全な避難場所”ではなく、 “準備が整っているときだけ使える選択肢”。 防災士として強く伝えたい── 「冬の車中泊は装備と知識が生存率を決める。」
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