子どもは大人よりも“災害に弱い存在”。
判断力・体力・危険予測が未熟で、
ちょっとした環境の変化でも事故につながる。
ここでは、防災士として
“子どもを守るために家庭で必ず整えておくべきポイント”
をまとめて解説する。
■① 子どもは“パニックになりやすい”。避難の動きは事前練習が命を守る
災害時、子どもは次の行動をとりやすい。
● 泣く
● しゃがみこむ
● 固まる
● 走って逃げる方向が逆
● 親を探して動き回る
だからこそ避難行動は
「練習しておくこと」 がすべて。
家庭でやるべきは、
● 揺れたら“机の下”の練習
● 家からの避難ルート確認
● 公園・学校までの安全ルート確認
● 親と離れた時の集合場所を決める
子どもは“知っていること”しか行動できない。
■② 転倒・落下事故は“家庭内”で一番多い
子どもの事故の8割は家の中で起きる。
● 階段から落ちる
● テーブルの角で怪我
● お風呂ですべる
● ベランダの段差
● 本棚・テレビの倒壊
災害時に限らず、
日常でも“家の危険を減らす”ことが防災になる。
家庭の対策は、
● 家具固定(特にテレビ・本棚)
● 角ガード
● 階段ゲート
● 浴室マット
● ベランダに物を置かない
“倒れない・落ちない・挟まれない”環境が必須。
■③ 子どもは“火災・煙”でパニックになる。避難の声かけが命綱
火災時の子どもは、
煙を怖がり動けなくなるケースが多い。
● その場で泣く
● ベッドにもぐる
● 隠れる
● 動かない
家庭では、
● 火災警報器の点検
● コンロ周りに物を置かない
● ストーブは絶対に柵を使用
● 子どもに“煙は下へ行く”ことを教える
避難時は、
「こっちだよ、一緒に行くよ」 “短く・優しく・ハッキリ”
が最も効果的。
■④ 子どもは“迷子”になりやすい。災害時はさらに危険が増す
災害時は周囲が騒がしくなり、
子どもは大人を見失いやすい。
● スーパー
● 公園
● 行楽地
● 避難所
特に人が多い避難所では迷子が多発する。
家庭の対策は、
● 連絡先カード(名前・電話番号)を持たせる
● GPSタグの活用
● 子どもと“離れたらどうするか”の約束をする
● 人混みでは必ず手をつなぐ
迷子対策は“家庭版の避難計画”。
■⑤ 災害時の“子どものメンタルケア”は最優先
地震・火災・停電・大雨――
子どもは強いストレスを感じやすい。
● 夜泣き
● 吐き気
● 不安
● 過緊張
● 依存が強くなる
家庭では、
● 落ち着いた声で話す
● 安心できる毛布・ぬいぐるみ
● スマホやゲームで気を紛らわせる
● 避難所では“静かな空間”を確保
“安心感”が子どもの回復を支える。
■⑥ 子どものための非常持ち出し袋は“大人とは別”で準備すべき
子どもの避難袋は、
大人のものとは完全に別で作るのが鉄則。
● おむつ
● おしりふき
● 飲み物
● おやつ
● 着替え
● タオル
● 小さな玩具
● 絆創膏
● マスク
● 非常食(子どもが食べられる味)
“子ども専用バッグ”があるだけで、
避難後の負担が激減する。
■まとめ|子どもを守るのは“日常×見守り×事前準備”
この記事のポイント。
● 子どもはパニックになりやすいので避難練習が必須
● 家庭内事故が最も多い
● 火災・煙では子どもは動けなくなる
● 災害時は迷子リスクが激増
● メンタルケアは最優先
● 子ども専用の避難袋が必須
結論:
防災士として強く伝えたいのは、 “子ども防災はスピードではなく準備が命を守る”ということ。 日常の小さな習慣が、未来の大きな安全につながる。

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