介護が必要な家族がいる家庭は、
災害時のリスクが 通常の家庭の数倍 になる。
● 移動が遅い
● 判断が難しい
● 医療機器が必要
● 薬が欠かせない
● 介助者の負担が大きい
● 避難所生活が過酷
ここでは、防災士として
“介護家庭が災害時に生き抜くための備え”
を徹底的に解説する。
■① 介護家庭の最大リスクは“避難の遅れ”。揺れたら即行動が鉄則
介護が必要な家族は、
● 歩行速度が遅い
● 階段が難しい
● パニックになりやすい
● 介助者がいないと動けない
という特徴があるため、
避難が 遅れやすく・時間がかかる。
だから、
→ 揺れた瞬間に避難開始 → 家族の帰りを待たない → 最寄りの避難ビルへ“短距離で”避難
この3つが命を守る基本になる。
■② 車椅子・歩行器利用者は“水平避難より垂直避難”
車椅子・歩行器利用者は、
● 坂道が危険
● 段差に弱い
● 道路のひび割れで動けない
● 渋滞に巻き込まれやすい
そのため、
避難ビル・マンションの上階へ上がる“垂直避難”が最も安全。
● 最寄りの津波避難ビル
● 近隣マンションの3階以上
● 商業施設の上階
移動距離は“短いほど”助かる確率が上がる。
■③ 停電は“医療機器”が止まるため命に直結
介護世帯では、
次の機器を使っているケースが多い。
● 酸素濃縮器
● 吸引器
● CPAP
● 電動ベッド
● モニター機器
これらは 停電=機能停止=命の危険 を意味する。
備えるべきは、
● モバイルバッテリー
● 発電機(家庭用)
● 延長コード
● 予備バッテリー
● 手動の代替手段(手動吸引器など)
特に 医療機器の“稼働時間”を事前に確認 しておくことは必須。
■④ 薬が切れるのは“命に関わる”。1週間分ストックが鉄則
介護が必要な家族の多くは薬を常用している。
災害時に起こる最悪の事例が、
● 薬が切れる
● 病院が開いていない
● お薬手帳を紛失
薬が無い状態が1〜2日続くだけで危険な場合もある。
準備すべきは、
● 1週間分の予備薬
● お薬手帳のコピー
● 服薬スケジュール表
● 簡易ポーチにまとめて玄関へ
“薬の確保=命の確保”。
■⑤ 介護者が“倒れる”のが最大のリスク。家庭防災は二人分必要
災害時、介護者が疲労で倒れたり、
怪我をして動けなくなると、
● 介護者も避難できない
● 被介護者も避難できない
● 両方が危険に晒される
介護家庭では、
● 介護者の体力を守る
● 介助は“一人で二役しない”
● 近所に事前協力を依頼
● 避難先で介助を分担
“介護者を守る=家族を救う”。
■⑥ 避難所生活は介護世帯にとって“過酷”
避難所には次の課題がある。
● トイレが遠い
● プライバシーがない
● ベッドが固い
● 介護スペースがない
● 夜は騒音で眠れない
● 感染症のリスクが高い
家庭で準備しておくべきは、
● エアマット
● 折りたたみベッド
● 吸水パッド・おむつ
● ウェットティッシュ
● 耳栓・アイマスク
● 水と柔らかい食べ物
“普通の避難袋”では足りない。
“介護用避難袋”が必要になる。
■⑦ 地域の助け合いが最も現実的な“介護災害対策”
災害時、介護家庭を救うのは
地域の力 である。
● 隣人が手助け
● 地域のサポート隊
● 民生委員
● ケアマネ
● 町内会
家族だけで避難するのは限界がある。
災害時は、
「助けてください」と言える環境づくり
が助かる家庭の共通点。
■まとめ|介護家庭の防災は“早期避難×医療×地域”で命を守る
この記事のポイント。
● 介護家庭は避難が遅れやすいため“即避難”が命綱
● 車椅子は水平避難が危険。垂直避難が最適
● 医療機器の停電対策が必須
● 薬は1週間分ストックが家族を救う
● 介護者を守る準備が最重要
● 避難所生活は介護世帯に大きな負担
● 地域の助け合いが最も頼れる防災
結論:
防災士として断言します。 “介護家庭の防災は、最初から家族だけで守ろうとしないこと”。 地域・備蓄・早期避難の3つを整えれば、災害時の生存率は大きく上がる。

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