【防災士が解説】防災×帰宅困難|“地震・豪雨・大雪・交通マヒ”で帰れない日に家族を守る行動計画

地震・大雪・台風・鉄道トラブル。
どれも突然発生し、「家に帰れない」=帰宅困難を引き起こす。

帰宅困難は災害の中でも最もストレスが強く、
判断を誤ると命に関わることがある。

ここでは防災士として、
“帰宅困難に遭遇したときに絶対に守るべき行動”
をわかりやすく解説する。


■① 地震直後は“絶対に帰宅を急がない”。これは鉄則

大地震直後は、誰もが家族の安否が気になり帰ろうとする。
しかし最も危険なのはこのタイミング。

● 余震
● 落下物
● ガラス片
● 電柱倒壊
● 通信障害
● 建物火災
● 橋が崩れる可能性

これらが重なる。

地震直後の徒歩帰宅ほど命を落としやすい行動はない。

正しい行動は、

● その場で安全確保
● 建物内ならヘルメット・靴を用意
● 会社・施設の指示に従う
● 帰宅困難者用待機スペースを利用

“すぐ帰らない”が命を守る行動。


■② 鉄道が止まったときの“徒歩帰宅”は体力の9倍消耗する

災害時の徒歩移動は普段の約3〜5倍疲れる

特に危険なのは、

● ヒール・革靴
● 飲み物ゼロ
● 真夏・真冬の徒歩
● 残業後の夜遅い時間
● 荷物が多い
● 足元の悪い道路

徒歩帰宅は“軽い登山”と同じ負荷が体にかかる。

対策は、

● スニーカー
● 水
● 軽食
● モバイルバッテリー
● 雨具
● 地図アプリを複数入れておく

準備があるだけで生存率が大きく変わる。


■③ 大雪・豪雨の日は帰宅を遅らせるほうが安全

交通機関が乱れているときは、

● 大雪=路面凍結
● 豪雨=冠水
● 強風=飛来物

この3つが徒歩にとって致命的。

そのため帰宅困難時は、

● 明るい時間に帰る
● 雨・雪が弱まるタイミングを待つ
● 無理な徒歩移動はしない

会社や施設に留まるほうが安全なことは多い。


■④ 帰宅困難で最も危険なのは“夜の移動”

夜は視界が悪く、災害時はさらに危険性が増す。

● ガラス片が見えない
● 道路の段差
● 浸水路面がわからない
● 街灯が停電で消えている
● 犯罪に巻き込まれるリスク

夜の徒歩帰宅は“リスクの塊”。

防災士として断言する。

夜間の帰宅困難は、移動せず待機するほうが安全。


■⑤ 一番重要なのは“家族と会社の2つの帰宅ルール”

帰宅困難は家族の不安が最大になる災害。

事前に決めるべきは2つ。

● 家族ルール

・ 電話が繋がらない時はLINEで
・ お互い「無理に帰らない」を約束
・ 帰れない時は必ず待機
・ 会社→自宅への徒歩ルートを共有

● 会社ルール

・ 帰宅困難者対応マニュアルを確認
・ 待機場所
・ 支援物資
・ トイレ
・ テレワーク切り替えの判断

この2つのルールだけで、
“家族の不安”が圧倒的に減る。


■⑥ 帰宅困難キットは“バッグに常備”が正解

帰宅困難はいつでも起きるため、普段のバッグに入れておくべきはこれ。

● スニーカー
● モバイルバッテリー
● 水500ml
● カロリーバー
● 使い捨て雨具
● ホイッスル
● ライト
● 地図アプリ(オフライン用)
● マスク
● 小型の救急セット

これらは“重くないのに命を守る装備”。


■⑦ 帰宅困難で最も大切なのは“情報の質”

災害時、誤った情報で帰宅を試みると危険。

● SNSのデマ
● 誤った通行止め情報
● 推測での判断
● 空いていると見せかけたルート

正しい情報源は、

● NHK
● 気象庁
● 国土交通省
● 鉄道会社公式アプリ
● Google マップの混雑&災害情報

情報は“公式”だけを信じる。


■まとめ|帰宅困難は“無理に帰らない”が最強の防災

この記事のポイント。

● 地震直後は帰宅を急ぐほど危険
● 徒歩帰宅は登山並みの負荷
● 大雪・豪雨の日は待機が安全
● 夜間移動は極めて危険
● 家族と会社のルール共有が命を守る
● 帰宅困難キットは常にカバンへ
● 情報は公式だけを信じる

結論:

防災士として強く伝えます── 帰宅困難は“行動ではなく判断”が命を守る最大の武器。 慌てず、動かず、正確に判断できる家庭は、 どんな災害の日でも安全に生き残れます。

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