地震で大きく揺れる家には“共通の弱点”がある。
そして、揺れやすい家ほど 倒壊・家具転倒・ガラス破損 の危険が高まる。
ここでは、防災士として
“揺れやすい家の特徴と対策”をわかりやすく解説する。
■① 築30年以上の“旧耐震基準”の家は揺れが大きい
1981年6月以前の建物は、
大地震を前提にした耐震基準がないため、
● 揺れやすい
● 倒壊しやすい
● 壁が少なく、構造が弱い
という弱点がある。
特に木造住宅は揺れが増幅しやすく、
地震の被害が集中しやすい。
→ 築年数の確認が最初の一歩。
■② 1階が“ガレージ・店舗・広い空間”の家は揺れが増幅する
家の1階がスカスカしている構造は、
● 壁が少ない
● 柱の支えが弱い
● 建物全体がねじれる
という理由で、揺れが大きくなる。
代表例は、
● ビルトインガレージ
● 1階が駐車場
● 1階が店舗で広い
● ピロティ構造
“1階が弱い家”は揺れが大きく、倒壊リスクが高い。
■③ 南側に大きな窓が多い家は“バランスが悪く”揺れやすい
最近の住宅は日当たりを良くするため、
南側に大型の窓や開口部が多い。
しかしこれが、
● 耐震壁が不足
● 建物の強度バランスが不均一
● 揺れが片側に集中する
という弱点を作り出す。
窓が多い=揺れに弱い構造になりやすい と理解しておく。
■④ 古い“増築・改築”がある家は揺れがさらに大きい
増築部分は、
● 基礎
● 柱
● 壁の量
● 接合部
これらが本体とズレていることが多く、
地震で“増築部分だけ大きく揺れる”現象が起きる。
特に、
● 2階だけ増築
● サンルーム増設
● 屋根裏部屋を増築
これは揺れが増大する典型パターン。
■⑤ 地盤が弱い土地は揺れやすく“長く揺れる”
家が揺れやすい原因は建物だけではない。
● 造成地
● 埋め立て地
● もともと池・田んぼだった土地
● 地盤改良していない土地
これらは“揺れが増幅しやすい地盤”。
同じ地震でも、
強固な地盤と比べて 1.5〜2倍揺れる こともある。
■⑥ 家具の配置が悪い家は“体感揺れ”が倍増する
揺れやすい家の内部には以下の特徴がある。
● 背の高い家具が多い
● 家具が固定されていない
● ガラス棚が多い
● 寝室の家具が密集
家具が揺れると“家そのものが大きく揺れた”ように感じ、
怪我リスクも跳ね上がる。
今日できる対策は、
● 家具固定(L字金具・突っ張り棒)
● 冷蔵庫・本棚の転倒防止
● ガラス飛散フィルム
● 寝室の家具を減らす
揺れの体感が大きく減る。
■⑦ 揺れやすい家の“倒壊を防ぐ方法”は3つだけ
最も効果があるのはシンプルにこの3つ。
● 耐震診断
● 耐震補強(壁・金物・基礎)
● 家具固定の徹底
特に“壁を増やす耐震補強”は効果絶大。
中程度の揺れでも倒壊を防げるようになる。
■まとめ|揺れやすい家は“構造+家具+地盤”で決まる
この記事のポイント。
● 旧耐震は揺れやすく倒壊しやすい
● 1階が弱い家は揺れが増幅する
● 大きな窓が多い家は構造バランスが悪い
● 増築は揺れを増やす最大要因
● 地盤の強さで揺れの大きさが変わる
● 家具固定だけでも体感揺れは激減
結論:
防災士・元消防職員として強く伝えます。 “揺れやすい家”は改善すれば必ず強くなる。 今日の1つの対策が、次の地震であなたの家族を守る。

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