【防災士が解説】防災×引っ越し|“新居選び・配置・設備チェック”で災害リスクは驚くほど変わる

引っ越しは“防災力を最大更新できるタイミング”。
家の構造、立地、家具の配置、備蓄場所などすべてを
“防災目線でリセットできる”貴重な機会だ。

ここでは、防災士として
「引っ越し時に必ずチェックすべき防災ポイント」
を徹底的に解説する。


■① 引っ越しで最も重要なのは“立地選び”。家より土地が命を決める

防災的に最も重視すべきは 建物より土地

避けるべきエリアの例は、

● 洪水・浸水常習地域
● 川沿い・合流点
● 谷地・低地
● 山の斜面・急傾斜地
● 液状化しやすい埋立地

逆に安全度が高いのは、

● 高台
● 浸水ハザード外
● 地盤が固いエリア
● 過去の災害履歴が少ない地域

“ハザードマップを見ずに家は決めない”。
これが防災の鉄則。


■② マンション・一戸建てどちらでも“避難ルート”を必ず確認

引っ越しを決めたらまず、

● 最寄りの避難所
● 津波避難ビル(沿岸部)
● 高台までの時間
● 夜でも歩けるか
● 子ども・高齢者でも行けるか

これを確認しておく。

災害は“夜・雨・停電・寝ている時間”に起きやすい。
引っ越し後に迷う家が意外と多い。


■③ 新居の“窓・ドア・シャッター”が防災力を決める

引っ越し時こそ、家の弱点が丸見えになる。

● シャッターがある窓
● 飛散防止フィルム
● 網入りガラス
● 玄関ドアの強度
● ベランダの高さ

台風・防犯・落下防止にもつながるため、
“窓の強さ=家の強さ”だと思ってよい。

特に2階窓は必ず確認。


■④ 家具配置は“防災が9割”。地震で死なない部屋を作る

引っ越し直後は家具が動かせる最後のチャンス。

最重要ポイントは以下。

● ベッドの横にタンスを置かない
● 子ども部屋に背の高い家具を置かない
● 冷蔵庫・タンスは壁固定
● ガラス扉の家具は寝室に置かない
● 家具は“逃げる方向と逆側”へ配置

家具の位置で生存率が大きく変わる。


■⑤ 新居の“水回り”は災害後に生活を左右する

災害後、もっとも重要なのが水。

引っ越し時に確認するべき場所は、

● 給湯器の設置場所
● 水道管の露出部分(凍結しやすい)
● 浴槽に水を溜められるか
● トイレが停電で使えるか
● 下水逆流対策の有無

特に 給湯器が北側にある家は凍結リスクが高い


■⑥ 新居は“停電対策のしやすさ”を確認する

意外と忘れがちなのが停電対策。

チェックポイントは、

● コンセントの数
● 延長コードが必要か
● 電力量(ブレーカー容量)
● IH or ガスコンロ
● 冷蔵庫の位置(停電時の保冷性)
● ポータブル電源の置き場

“電源がどこにあるか”で避難生活の質が決まる。


■⑦ 引っ越し直後に“備蓄ゾーン”を作ると最強

新居を片付ける前に、
防災士として強くおすすめしたいのがこれ。

● 水の置き場
● 非常食の棚
● 簡易トイレのストック
● 懐中電灯と電池
● カセットコンロ
● ブランケットと寝袋

“備蓄の定位置”がある家は災害時に強い。


■⑧ 引っ越し後1週間は“防災見直しのゴールデンタイム”

生活導線がまだ固まっていない1週間こそ、

● 夜の避難ルート
● 家の危険な段差
● 子どもが触りやすい場所
● ガラス・角の危険
● 玄関の収納動線

これが最も見つかる。

危険箇所をそのままにすると、
毎日の生活トラブルにつながる。


■まとめ|引っ越しは“防災力を最大化できる年に一度のチャンス”

この記事のポイント。

● 家ではなく立地が防災の出発点
● 避難ルートは必ず先に確認
● 窓・シャッター・ガラスは家の防災力
● 家具固定は引っ越し直後が最適
● 水回りチェックは生活再建の要
● 停電対策はコンセント配置から
● 備蓄ゾーンの固定が最強の習慣
● 1週間で生活導線の危険を洗い出す

結論:

防災士・元消防職員として断言します。 “引っ越しこそ家族の命を守る最強のタイミング”。 立地選びと家具配置、この2つを抑えるだけで 新居の安全性は劇的に高まります。

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