学校防災の中心にいるのが PTA(保護者と教師の協力組織)。
PTAは単なる行事運営ではなく、
実は 「子どもの命を守る防災のキープレイヤー」 でもある。
ここでは、防災士として
“PTAが関わることで学校防災がどれだけ強くなるか”
をわかりやすく解説する。
■① PTAが動くと“学校の防災レベル”が一気に上がる
学校は忙しく、教職員だけでは防災を100%整備できない。
そこでPTAが補完すると、学校の安全度が飛躍的に高まる。
PTAが強い学校は、
● 避難訓練が手厚い
● 保護者との連携が早い
● 防災マニュアルが整備されている
● 災害時の子ども引き渡しがスムーズ
● 備蓄が充実
“家庭と学校の橋渡し役”がPTA最大の役割。
■② PTAは“災害時の子どもの引き渡し手順”の核になる
災害で最も混乱するのが 「子どもの引き渡し」。
PTAが整備すべきポイントは、
● 誰が迎えに来るか(家族の登録)
● 身分証の確認方法
● 迎えに来られない場合の対応
● 渋滞や停電時のルール
● 引き渡し用の待機場所の確保
ここが曖昧だと、
“子どもが帰れない”という最悪の状況が起きる。
■③ PTAは“子どもの足元の安全”を守る存在
大地震・豪雨・大雪などで危険になるのが“登下校の道”。
PTAは、
地域の保護者と一緒に
● 危険な通学路の点検
● 街灯の少ない道の把握
● 冠水しやすい道路の共有
● 凍結しやすい坂道の情報収集
● 交通量が多い交差点の見守り
を行うことで、
子どもの日常の安全性が圧倒的に高まる。
■④ PTAは“学校の備蓄の実態”を把握できる
多くの学校は備蓄が不足している。
● 水・食料が1日分しかない
● 毛布が足りない
● トイレの備蓄が少ない
● 靴・サンダルがない
● 発電機が動くか分からない
PTAが関わると、
● 備蓄の不足に気づける
● 補充を提案できる
● 運動会などの機会で備蓄更新できる
「学校に本当に何があるのか」
これはPTAでしか把握できない。
■⑤ PTAは“避難所運営の練習役”にもなる
学校は避難所として使われるが、
避難所の運営は 保護者(地域住民)も担う。
PTAが参加できる訓練は、
● 段ボールベッド設営
● 簡易トイレ組み立て
● 受付・名簿管理の練習
● パーテーション設置
● 発電機起動訓練
これを事前に経験している自治体ほど、
災害時の混乱が圧倒的に少ない。
■⑥ PTAが強いほど、災害時の“情報伝達”が早くなる
緊急時には、
● クラスLINE
● PTAメール
● 学校連絡網
● 防災アプリ
● 教員→保護者の連絡
これらが一斉に動く必要がある。
PTAが整備している学校は、
災害時の伝達スピードが非常に速く、
“保護者の混乱=子どもの不安”を確実に軽減できる。
■⑦ PTAは“子どもの心のケア”も担える
災害後に重要なのがメンタルケア。
PTAは、
● 子どもの話を聞く
● 見守り活動
● 学校行事サポート
● 一人で抱え込む家庭を支える
など、家庭と学校の隙間を埋める役割がある。
子どもは「大人が落ち着いているか」を敏感に感じ取る。
PTAが動く=学校が落ち着く=子どもが安心する。
■まとめ|PTAは“防災の主役級”。家庭と学校をつなぐ命綱
この記事のポイント。
● PTAは学校防災を底上げする最重要組織
● 子どもの引き渡しルールづくりはPTAの核心
● 通学路の安全はPTAで大幅に改善できる
● 学校備蓄の状況を知れる唯一の組織
● 避難所運営訓練で地域の防災力が爆上がり
● 情報伝達が速くなる
● 子どもの心のケアにも繋がる
結論:
防災士・元消防職員として断言します。 PTAは“面倒な役”ではなく、 子どもを災害から守る“最強の防災プレイヤー”。 PTAが動く学校ほど、子どもの安全は確実に高まります。

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