【防災士が解説】防災×避難経路|“1本しか知らない”は命取り。家族全員が“複数の逃げ道”を持つことが最大の防災

避難で最も危険なのは、
「1つの道しか知らない」
という状態。

地震・火災・津波・洪水。
どの災害でも“避難経路の確保”は生死を分ける最重要ポイントだ。

ここでは、防災士として
“絶対に押さえるべき避難経路の考え方”
を誰でも分かる形で解説する。


■① 避難経路は“3つ以上”が基本。1本では必ず詰まる

避難経路の理想は 3ルート

● メインの道
● 迂回ルート
● 緊急用(裏道・高台・階段)

災害時は、

● 倒壊家屋
● 落石
● 車の渋滞
● 浸水
● 火災延焼
● 電柱倒壊

などで道が一瞬で塞がる。

1本しか知らない=進めず立ち往生。

これが命取りになる。


■② 地震時の避難経路は“狭い道・古い家の並ぶ道”を避ける

地震では最も危険なのが、

● ブロック塀倒壊
● 古い家の倒壊
● 電柱・看板の落下

特に 狭い道は致命的

避けるべき道は、

● 坂の途中
● 片側が崖
● 古い塀が続く道
● 細い路地
● 老朽家屋の密集地

広い道・公園・学校へ向かうルートを日頃から確認する。


■③ 洪水時の避難経路は“川・用水路・低地”の近くを避ける

水害では、

● 川沿いの道路
● 用水路の横
● 低地の交差点
● アンダーパス
● 田んぼ沿いの道

これらは冠水が早く、
避難中に動けなくなる危険がある。

避難は必ず、

● 高い土地
● 高台
● 盛土の道路

を使うことが最優先。


■④ 津波避難は“水平より垂直”。最短で高い場所へ

津波はスピードが桁違い。

● 道路渋滞
● 車の流れ
● 障害物

これらで数分単位でタイムロスが起きる。

津波避難の基本は、

“最短距離で上へ逃げる”=垂直避難。

● 避難ビル
● マンション3階以上
● 高台の階段

海沿いの家庭は必ず“垂直避難ルート”を3つ決める。


■⑤ 火災避難は“煙を避けられる道”が命を守る

火災時に最も危険なのは

進んではいけない道は、

● 風下(煙が流れる方向)
● 建物が燃えている方向
● 細くて逃げ戻れない道

火災では“煙の動き”で道を決める必要がある。

避難するときの鉄則は、

● ハンカチ・タオルで口を覆う
● 低い姿勢で進む
● 遠回りでも煙の少ない方向へ逃げる

火災は判断ミスが命取りになる。


■⑥ マンション・アパートは“階段ルート”の把握が最優先

マンション・アパートでは、

● 階段の位置
● 避難口
● 外階段
● 隣室との隔壁
● 非常扉の使い方

これらを事前に知っておく。

特に“非常階段の鍵が開いているか”は必ず確認する。

エレベーターは絶対に使わない。


■⑦ 家族全員が“避難経路を共通認識”していることが命を守る

避難経路は知っているだけでは意味がない。

● 家族LINEで共有
● 地図に印をつける
● 子どもと一緒に散歩しながら確認
● 高齢者にも分かるように紙で貼る

“家族全員が覚えている”ことが最重要。


■⑧ 実際に歩くことで“本当の危険”が見える

防災士として強く推奨する。

避難経路は必ず歩いて確認する。

歩くと、

● 夜は暗い
● 路面が滑る
● 車が多い
● 避難所まで距離がある
● 坂が急
● 水路が近い
● 子どもが通れない段差がある

こうした“現場の危険”が見えてくる。

地図では絶対にわからない。


■まとめ|避難経路は“数”と“質”で命が決まる

この記事のポイント。

● 避難経路は3つ以上が基本
● 地震は狭い道・古い塀を避ける
● 洪水は川沿い・低地を避ける
● 津波は最短で垂直避難
● 火災は煙を避けるルートが最優先
● マンションは階段の確認が命綱
● 家族で共有するほど避難成功率が上がる
● 実地確認が避難計画の完成形

結論:

防災士・元消防職員として明確に伝えます。 “避難経路を3つ知っている家庭”は災害で圧倒的に強い。 逃げ道を準備することが、家族の命を守る最もシンプルで最強の防災です。

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