【防災士が解説】防災×猫|“地震・火災・停電・避難”で猫を守るために家庭が必ず準備すべきこと

災害時に最もパニックになりやすい動物が
ジャンプ力が高く、小さく、隠れやすいため、
“家のどこに逃げたか分からない”状況が非常に多い。

ここでは、防災士として
「災害時に猫を確実に守るための準備と行動」
を家庭向けにわかりやすく解説する。


■① 猫は“驚くと一瞬で消える”。避難の最大リスクは脱走

猫は地震や爆音に弱く、

● 押し入れに隠れる
● ベッド下に潜る
● 窓の隙間から脱走
● 玄関から一瞬で飛び出す

という行動が起きやすい。

そのため災害時は、

→ とにかく“脱走防止”が最優先。 → ドアを開けるのは猫を確保してから。

特に余震時はパニックが続くため危険。


■② キャリーバッグは“猫の避難の生命線”

猫は抱っこで逃げると暴れる可能性が高い。
必ずキャリーを使う。

避難用キャリーの条件は、

● 上・横が開く(入れやすい)
● 頑丈で軽い
● 布製よりハードタイプが安全
● 肩がけベルトつき

普段から“部屋に出しっぱなし”にして
猫が慣れるようにしておくと、避難がスムーズになる。


■③ 猫の非常持出袋は“最低3日分”

猫用の避難セットは人とは別に準備する。

● キャットフード(3〜5日分)
● 水(500ml × 数本)
● 折りたたみ皿
● トイレ砂(少量)
● ペットシーツ
● 排泄袋
● 予備の首輪・ハーネス
● 常用薬
● ブランケット
● 猫の写真(迷子時の証拠)

猫は環境変化に弱いため、
“いつもの匂いがする物”を必ず入れる。


■④ 避難所では“ケージでの生活”が必須

避難所では猫は自由に動けない。

● ケージ内で過ごす
● 他の動物と隔離
● 鳴き声・匂いへの配慮
● ストレスが大きい

そのため、

● 慣れた毛布
● 好きな匂いのタオル
● 隠れられる布

を入れると落ち着きが変わる。


■⑤ “脱走・迷子”は猫の災害で最も多い

実は犬より迷子が多いのが猫。

理由は、

● 窓の隙間から逃げる
● 破損した網戸を突き破る
● 高い所から外に飛び降りる

対策はこれ。

● 名札つき首輪
● マイクロチップ必須
● 写真をスマホに保存
● SNS・地域掲示板で迷子拡散準備

災害時は警戒心が強まり、
いつもの猫とは全く別行動を取る。


■⑥ 冬災害では“低体温”が致命傷になる

停電や避難所生活では、猫が寒さに弱くなる。

● ブランケット
● 小さな段ボール
● 湯たんぽ(直接当てない)
● 使い捨てカイロ(ケージの外に)

暖かい“巣”を作るだけで生存率が大きく変わる。


■⑦ 多頭飼育は“避難ルートの優先順位”を決める

家に猫が複数いると、

● 全員の確保が難しい
● 一匹が隠れると全体が遅れる
● キャリーが足りない
● パニックで逃走しやすい

そのため、防災では、

→ 誰がどの猫を担当するかを決める → キャリーを頭数分用意する → 捕獲ネットを用意する家庭もある

この3つが鍵。


■⑧ 静電気・乾燥は“猫への火災リスク”を高める

冬は乾燥で静電気が増え、

● 猫がヒーターに近づきすぎる
● ストーブの火に触れる
● ケーブルを噛んでショート

これらの事故が増える。

ヒーター周りは必ずガードをつけること。


■まとめ|猫の防災は“脱走防止×キャリー×匂いの安心”で決まる

この記事のポイント。

● 猫は災害時に最も脱走しやすい
● キャリーは猫の避難の生命線
● 猫専用の非常持出袋が必要
● 避難所はケージ生活が基本
● 迷子対策はマイクロチップ+写真
● 冬は低体温が最大の敵
● 多頭飼育は役割分担が必須

結論:

防災士・元消防職員として断言します。 猫を守る準備は“今日やった分だけ助かる命”です。 家族である猫のために、避難の仕組みを必ず整えてください。

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