【防災士が解説】防災×妊婦|“地震・停電・寒波・避難”で妊婦さんを守るために家庭が必ず準備すべきこと

妊婦さんは災害時に最も守るべき存在。
体調が急変しやすく、移動スピードも低下するため、
災害時の“避難・寒さ・停電・生活”に特有のリスクがある。

ここでは、防災士として
「妊婦さんが災害で危険にさらされないために必要な備え」
を徹底解説する。


■① 妊婦さんは“転倒・つまずき”が大きな危険。靴の準備が命を守る

妊婦さんは、

● お腹で足元が見えにくい
● 重心が前に寄っている
● バランスを崩しやすい
● 階段が怖い

という特徴があるため、避難時の転倒が最も危険。

避難用として必ず、

→ 滑りにくいスニーカー → 靴ひもをしっかり締める → 玄関に“妊婦用避難靴”を固定

この3つが命を守る基本。


■② 避難は“スピードより安全”。付き添い必須

妊婦さんは一人での避難が非常に危険。

● 坂道で息切れ
● 階段でふらつく
● 荷物を持つ余裕がない
● 突然の腹痛・めまい

そのため、

→ 付き添い1名を必ずつける → 荷物は妊婦さんに持たせない → 無理に走らせない → 避難ビル・避難所の位置を事前確認

が妊婦避難の鉄則。


■③ 妊婦さん専用の“持ち出し袋”は必須

通常の非常袋では不足しがち。

妊婦さんには以下を追加する。

● 母子手帳
● 健康保険証のコピー
● マタニティマーク
● 産科の診察券
● 常用薬
● 飲み物(脱水防止)
● カロリーの高い食べ物
● ブランケット
● 生理用品
● むくみ対策の着圧ソックス

“母子手帳をすぐ持ち出せる状態”が最優先。


■④ 冬災害は“冷え”が最大のリスク。体温低下は母体と胎児に危険

停電・寒波・避難所の冷えは妊婦さんに大敵。

● お腹が張りやすくなる
● 血圧が乱れる
● めまい
● 体調急変

を引き起こしやすい。

家庭では、

● ブランケット
● ホッカイロ(直接貼らない)
● 湯たんぽ
● 厚手の靴下
● マタニティ用の防寒具

を“避難袋の横”に必ずセットしておく。


■⑤ 停電時は“お湯が使えない・部屋が冷える”ため特別な準備が必要

寒波×停電は妊婦さんに最も厳しい環境。

● 電気毛布が使えない
● エアコン停止
● 給湯器停止
● 暗くて移動が危険

これらを補うため、

● 懐中電灯
● モバイルバッテリー
● カセットコンロ
● すぐ使える毛布
● 予備の水(1〜2L)

を準備しておくと急場をしのげる。


■⑥ 避難所生活では“ストレス・睡眠不足・感染症”に注意

妊婦さんは避難所の環境に弱い。

● 硬い床で寝られない
● 人混みで疲れる
● トイレが遠い
● 感染リスクが高い

対策は、

● 折りたたみマット
● マスク
● アルコール消毒
● こまめな水分補給
● 無理に並ばない(誰かに代わってもらう)

“妊婦さんだけ別室対応”をしてくれる避難所も多い。


■⑦ 家族の役割分担で“妊婦さん最優先”の避難を作る

災害時は誰が何をするかを明確にする。

● 誰が妊婦さんを付き添う?
● 誰が非常袋を持つ?
● 誰が家のブレーカーを見る?
● 車避難の運転担当は誰?

事前に決めておくと、避難が圧倒的に早くなる。


■⑧ 出産直前・ハイリスク妊娠は“病院との連絡体制”が命を救う

● 切迫早産
● 高血圧
● 妊娠糖尿病
● 多胎妊娠

などの場合は災害時に特に脆弱。

● 産院の緊急連絡先
● 夜間入り口
● 代替病院
● 移動ルート

これらを家族全員で確認しておく。


■まとめ|妊婦さんの防災は“靴・付き添い・冷え対策”の3つが最重要

この記事のポイント。

● 妊婦さんは“転倒リスク”が最も危険
● 避難はスピードより安全が優先
● 専用の持ち出し袋は必須
● 冷えは母体と胎児の大敵
● 停電に備えて暖房代替手段を確保
● 避難所では環境ストレスに注意
● 家族の役割分担が避難時間を短縮
● 出産前は病院との連絡体制が命綱

結論:

防災士として、そして元消防職員として強く伝えます。 “妊婦さんは最優先で守るべき存在”。 災害時に安全を確保できるかは、今の準備でほぼ決まります。 今日ひとつ備えるだけで、母子の命を確実に守る力になります。

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