【防災士が解説】防災×バス利用|“地震・豪雨・渋滞・停電”に弱いバス通勤・通学で身を守るための実践的防災術

バスは“災害にもっとも影響を受けやすい交通手段”。
地震・豪雨・渋滞・倒木・冠水・停電・事故…
どれが起きてもバスは止まりやすく、逃げづらい。

ここでは防災士として、
「バス利用の弱点」と「今日からできる命を守る対策」
をわかりやすくまとめる。


■① バスは“揺れに弱い”。地震時の最優先行動は“姿勢を低くする”

走行中の地震は危険。

● 転倒
● 手すりに頭をぶつける
● 他の乗客とぶつかる
● 窓ガラス破損
● バスが急停車

対策はシンプル。

→ 姿勢を低くして手すりをつかむ → 片手は頭を庇う → シートなら前屈姿勢で頭を守る

“揺れが収まるまでは移動しない”が鉄則。


■② 豪雨時のバスは“冠水・渋滞・道路閉鎖”で簡単に動けなくなる

線状降水帯やゲリラ豪雨で道路が水没すると、

● バスが止まる
● 迂回不能
● 乗客が車内に取り残される
● バス停で長時間待たされる

特に都市部は地下への流入が危険。

備えるべきは、

● 折りたたみ傘
● レインコート
● 長靴
● 小型ライト
● 飲み物
● タオル

“バスが来ない前提”で準備するのが正解。


■③ 冬のバス利用は“凍結・雪道・渋滞”が大きなリスク

冬のバスはスリップしやすい。

● 凍結路で急ブレーキ
● 交差点で発進できない
● 遅延・運休
● 乗り場で待つ間の低体温

特に朝の通勤時間は危険。

持っておくべきは、

● カイロ
● 手袋
● 帽子
● 厚手の防寒着
● 防寒ブランケット

“バス停で待つ時間=低体温リスク”と考える。


■④ 停電は“信号が消える=バスが動かない”

停電すると道路が麻痺する。

● 信号停止
● 交差点渋滞
● 衝突事故
● バス運休
● 乗客が取り残される

対策は、

● 余裕を持って早めに移動
● 代替ルートを複数準備
● 徒歩で帰れる距離か確認
● モバイルバッテリーを常備

停電時のバスは“動かないもの”と考える方が安全。


■⑤ バスの車内は“閉じ込めリスク”が高い。数時間動かないこともある

災害時、バス車内は逃げ場がない。

● 大渋滞で停止
● 車内が蒸し暑い or 極寒
● トイレに行けない
● スマホ充電切れ
● 水分不足

最低限必要なセットは、

● モバイルバッテリー
● 水
● カロリーバー
● マスク
● ハンカチ・ティッシュ

これがあるだけで数時間は耐えられる。


■⑥ バス停は“飛来物・落下物”が多い危険地帯

台風・暴風時のバス停は特に危険。

● 看板
● 樹木
● 屋根パネル
● ゴミ箱
● 自転車
● ビニールハウス片

これらが飛ぶ可能性があるため、

→ バス停の屋根の下に立たない → 木の近くに立たない → 強風日は少し離れた位置で待つ

これだけでケガのリスクが激減する。


■⑦ バス利用者は“帰宅困難”になりやすい。徒歩ルートは必ず確認

バスは鉄道より復旧が遅い。

● 渋滞
● 交通規制
● 道路閉鎖
● バス会社の判断

これらで帰宅不能になる。

帰宅困難に備えるには、

● 歩いて帰るルートを2つ用意
● 靴は歩きやすいものを選ぶ
● 職場の水・食料を確認
● 家族と連絡ルールを決める

“徒歩帰宅が基本”と考える。


■⑧ 通勤バッグに“小型防災セット”を常備するとバス防災は最強になる

これだけで十分。

● モバイルバッテリー
● ライト
● 水
● カロリーメイトなど
● 45Lゴミ袋(雨具にもなる)
● タオル
● マスク
● 常備薬
● 現金(小銭)

バス利用者は駅利用より自由度が低い分、
“持ち物の質”で生存率が大きく変わる。


■まとめ|バス利用の防災は“自力で動けない時間”をどう耐えるかが勝負

この記事のポイント。

● 走行中地震は落下物・転倒が最大の危険
● 豪雨でバスは簡単に動かなくなる
● 冬の凍結・雪道でバスは遅延・運休しやすい
● 停電で信号が止まるとバスも止まる
● 車内閉じ込め対策として水・バッテリーは必須
● バス停は暴風時の危険地帯
● 帰宅困難に備えて“徒歩ルート”を準備
● 通勤バッグにミニ防災セットが最強

結論:

防災士として、そして元消防職員として断言します。 「バスは災害に弱い」──これは事実です。 しかし今日、カバンに1つ備えるだけで、 バス利用中の生存率は確実に上がります。 あなたの通勤・通学を守るのは“今の準備”です。

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