冬の災害は 「寒さ=命の危険」 が直結する。
特に寒波・大雪・停電・車の立ち往生・屋外避難が重なると、
防寒着の性能がそのまま 生存率を左右する装備 になる。
ここでは、防災士として
“災害時に本当に役立つ防寒着の選び方”
をわかりやすく解説する。
■① 冬の災害に強い“3層構造(レイヤリング)”が最強
防災で最も重要なのは、
「薄く・軽く・重ねる」=レイヤリング。
理想の3層は以下。
● ①ベースレイヤー(肌着)
吸湿速乾 → ユニクロのヒートテック ではなく エアリズム系が安全
(汗冷えしないことが重要)
● ②ミドルレイヤー(中間着)
フリース・ニット・軽ダウン
→ “熱を溜める層”
● ③アウター(防風・防水)
ウインドブレーカー・レインウェア
→ “風と雪から守る層”
この構造ができている人は、
寒波・停電・屋外避難でも体温を奪われにくい。
■② 「綿100%の服」は防災では危険
綿は水分を含んだ瞬間に冷たくなり、
体温を一気に奪う“低体温症の原因” になる。
特に災害時は、
● 雨・雪
● 汗
● 結露した室内
● 雪かきで濡れる
このように服が濡れやすい。
防災士として推奨するのは、
● ポリエステル
● ウール
● ナイロン
● フリース系素材
※濡れても冷えにくい素材を優先する。
■③ 停電時は“室内でもアウターが必要”になる
停電すると、
● 暖房が使えない
● 室温が1時間で5〜10℃低下
● 高齢者は低体温症に直結
こうした危険がある。
停電時に役立つ防寒着は、
● ダウンジャケット
● フリースベスト
● ネックウォーマー
● 厚手の靴下
● レッグウォーマー
● ニット帽
人間は“頭・首・足元”から強く冷える。
背中と首元を温めると、体感温度は大きく改善する。
■④ 大雪・屋外避難は“防水性と足元”が命を守る
雪による避難や外での作業では、
防寒着よりも 靴の性能が生死を分ける。
必要なのは、
● 防水ブーツ
● 長靴(裏起毛)
● スパイク付き靴底
● 断熱インソール
● 滑り止めアタッチメント
特に“靴の中が濡れる=低体温”なので、
靴の防水性>コートの厚さ で重要。
■⑤ 車の立ち往生は“防寒着の有無”で命が変わる
冬は高速道路での立ち往生が毎年発生する。
そのとき最も重要なのは、
● 防寒着
● ブランケット
● 靴下・手袋
● カイロ
車は暖かいと思われがちだが、
エンジン停止後はわずか30分で極寒になる。
車内には以下を常備しておきたい。
● ダウン1着
● ひざ掛け
● 手袋
● 靴下
● カイロ
● レインウェア(雪かき用)
防寒着を車に入れておくことは“冬の命の備え”。
■⑥ 高齢者・子どもは“冷えやすい部分”が違う
【子ども】
● 体温調整が苦手
● 手足がすぐ冷える
→ 防風アウター+帽子が必須
【高齢者】
● 筋肉量が少なく冷えやすい
● 低体温症になりやすい
→ 膝掛け・腹巻き・首元の保温が有効
家族の中で“冷えやすい人”を優先して防寒着を準備する。
■⑦ 災害時の最強アイテムは“ネックウォーマー”
体感温度を最も上げる防寒具は 首元の保温。
理由:
● 頸動脈が冷えると全身が冷える
● 首を温めると血流が上がる
ネックウォーマー1つで室温が3〜5℃上がったように感じる。
防災士として最推奨。
■まとめ|防寒着は“冬の命を守る装備”。揃えるだけで生存率が上がる
この記事のポイント。
● 防災では“3層レイヤリング”が最強
● 綿素材は濡れると冷えて危険
● 停電時は室内でもアウター必須
● 雪の避難は足元が最重要
● 車の立ち往生は防寒着の有無が生死を分ける
● 子ども・高齢者は冷えやすい部分が違う
● ネックウォーマーは最強アイテム
結論:
防災士として、そして元消防職員として強く伝えます。 冬の災害では“寒さ=命のリスク”。 今日、防寒着を1つ車に入れ、家族の冬装備を整えるだけで 生存率は何倍にも上がります。 備える人こそ、冬に強い家庭です。

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