大雪が降った時、最も危険になる作業が “除雪”。
実は、全国で毎年多くの方が除雪中に、
● 転倒・骨折
● 心筋梗塞
● 屋根からの落雪
● 道路でのはね飛ばし事故
● 車の立ち往生
● 雪に埋もれて窒息
こうした命に関わる事故を起こしている。
ここでは、防災士として
“安全に除雪を行うための具体策”
をわかりやすく解説する。
■① 除雪中の“心筋梗塞・脳梗塞”が最も危険
冬の除雪で一番多い死亡事故は 急性心筋梗塞。
理由は、
● 寒さで血管が縮む
● 大量の雪で重労働
● 息が上がる
● 高齢者ほど負担が大きい
特に、
● 早朝の除雪
● 一気にやろうとする
● 食後すぐの作業
は危険度が跳ね上がる。
対策は、
● 10分作業、5分休憩
● 無理な量を一度にしない
● 暖かい服装で行う
● 高齢者は必ず複数人で作業
「無理をしない」が最大の防災。
■② “転倒事故”は雪かきの最初の5分に多い
雪かき直後は地面が凍っていることが多い。
特に危険な場所は、
● 玄関前のタイル
● 駐車場の出入口
● 階段
● 軒下の影
対策は、
● 滑り止め付き靴
● スパイクアタッチメント
● 転倒しやすい箇所から除雪
● 長靴+厚手靴下
“足元の準備で8割の事故は防げる”。
■③ 屋根からの“落雪事故”が毎年発生している
除雪作業中に突然、
● 屋根の雪が落ちてくる
● 氷の塊が直撃
● 下敷きになり窒息
という事故が起きている。
対策は、
● 軒下には絶対に入らない
● 雪庇(せっぴ)を確認する
● 屋根雪の下は歩かない
● 子どもを近づけない
落雪は“前兆なしで一気に落ちる”ので特に危険。
■④ 車の“排気口塞ぎ”は命を失う事故
積雪で車を動かす前に必ず確認すべきは 排気口。
雪で塞がれると、
● 排ガス逆流
● 一酸化炭素中毒
● 車内で意識を失う
という極めて危険な事故になる。
除雪前に必ず、
● マフラー部分の雪を掘る
● エンジンは雪を除去してから
● 車内で暖を取るときはこまめに換気
これを徹底してほしい。
■⑤ スコップ作業は“正しい姿勢”が命を守る
腰痛・ぎっくり腰の原因になるため、
姿勢にも注意が必要。
● 膝を曲げてすくう
● 腕だけで持ち上げない
● 大きくすくわず少量ずつ
● 遠くに投げない
● 無理なひねり動作をしない
腰を痛めると、その後の生活が完全に止まる。
■⑥ 子ども・高齢者の“手伝わせすぎ”は危険
除雪は見た目以上に危険で重労働。
【子ども】
● 足元不安定
● スコップ操作が難しい
● 落雪に気付かない
【高齢者】
● 心臓・血管への負担
● 転倒リスクが急増
家族で役割を分け、
特に“危険な場所は大人が担当”。
■⑦ 除雪は“複数人で行う”のが最も安全
1人で除雪すると、
● 助けを呼べない
● 転倒に気付かれない
● 落雪の危険に気付けない
事故が年々増えている。
理想は、
● 2人以上で声をかけ合いながら
● 時間を決めて短時間作業
● 見守り役をつける
“助けが近くにいる”だけで安全性は大幅に上がる。
■まとめ|除雪は“命がけの作業”。安全対策が命を守る
この記事のポイント。
● 除雪の死亡事故の多くは心筋梗塞
● 転倒は“最初の5分”が最も危険
● 屋根からの落雪が毎年命を奪う
● 車は排気口塞ぎが一酸化炭素中毒につながる
● 腰痛対策に“姿勢と量”が重要
● 子ども・高齢者は危険作業を避ける
● 複数人で声をかけ合うのが最も安全
結論:
防災士として、そして元消防職員として強く伝えます。 除雪は“災害そのもの”と同じレベルの危険がある作業。 今日から、無理をせず・安全第一で雪と向き合う習慣を徹底してください。 命を守る除雪こそ、冬の最重要行動です。

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