落雪事故（らくせつじこ）は、
雪国だけでなく、一時的な大雪が降る地域でも起こる“冬の重大事故”。
屋根から落ちる雪は軽く見えて、
実際は 100〜300kgの固まり になることもあり、
直撃すれば命に関わる。
ここでは、防災士として
“落雪の起きる条件・危険な場所・家庭が守るべき行動”
をわかりやすく解説する。
■① 落雪が最も起こるのは“気温上昇後の午後〜夕方”
落雪が起こるタイミングは決まっている。
● 大雪の翌日
● 太陽が出た日
● 気温が上がった日
● 雨が降った翌日
● 屋根の雪が湿って重くなったとき
特に 午後〜夕方の気温上昇 が最も危険。
一気に屋根雪が緩み、
“塊になって滑り落ちる”。
■② 危険なのは“金属屋根”と“急傾斜の屋根”
落雪しやすい屋根は特徴がある。
● 金属屋根（ツルツルして滑りやすい）
● 傾斜の強い屋根
● 日当たりの良い面
● 2階建て以上の高さ
● 雨樋がない（雪が直接落ちる）
金属屋根は雪が一気に滑るため、
軒下は絶対に歩かない・停めないが基本。
■③ 家庭の“屋根の下”は最も危険なエリア
落雪で多い事故は次のとおり。
● 子どもが屋根の下で遊ぶ
● 車が落雪で潰れる
● 自転車・物置が破損
● 玄関を出た瞬間に直撃
● 洗濯物を干していて被害
特に危険な行動：
● 屋根の下を通る
● 屋根直下に車を駐車
● 玄関に雪の塊が落ちる
● 子どもが屋根の下で遊ぶ
“屋根の真下＝落雪ゾーン”
と家族全員で共有する必要がある。
■④ 落雪の前兆は“音・ひび割れ・せり出し”
落雪前には必ずサインがある。
● バキッという音
● 雪の表面に亀裂
● 雪がせり出して空中に飛び出す
● 軒先の雪がたわむ
● 雨樋が重みで曲がる
これらが見えたら、
即、屋根下から離れる。
■⑤ 玄関前・車庫前は“最も事故が多い”
冬の家庭の落雪事故の8割はここ。
● 玄関前
● 車庫前
● 勝手口
● 階段前
● ベランダの上
特に玄関は、
● 出るときに上を見ない
● 子どもが走り出す
● 高齢者が転びやすい
ため危険が集中する。
冬の鉄則：
「玄関を出る前に必ず上を見る」
■⑥ 落雪対策として必ずやるべき家庭の行動
落雪対策はシンプル。
● 屋根下に車を停めない
● 通路をずらす
● 玄関前に雪止めマット
● 子どもに“屋根の下に絶対入らない”と教える
● 落雪ゾーンに物を置かない
● 納屋・物置・自転車は離す
雪が多い地域では、
● 雪止め金具の設置
● 落雪事故保険の確認
● 屋根修繕（雨樋補強）
も効果的。
■⑦ 屋根の雪下ろしは“落ちるより危ない”。プロに依頼
雪下ろしは家庭で最も事故が多い作業。
● 転落
● 屋根が抜ける
● はしごが滑る
● 足元が埋もれて動けない
家庭で無理に雪下ろしをするのは危険すぎる。
→ 必ず業者に依頼 → 自治体の雪下ろし支援制度を利用
これが基本。
■⑧ 落雪は“道路でも起こる”。歩行者は特に注意
道路歩行中の事故も多い。
● 店舗の軒先
● マンション
● バス停近く
● アパート
● 商店街のアーケード
歩行時は、
● 軒下を歩かない
● 壁側を歩く
● 風が強い日は特に上を確認
● 人混みでも周囲を見る
“真下を歩かない習慣”が命を守る。
■まとめ｜落雪は“近づかなければ防げる災害”
この記事のポイント。
● 気温上昇の午後〜夕方が最も危険
● 金属屋根・急傾斜は落雪しやすい
● 家庭の屋根下は事故多発ポイント
● 音・亀裂・せり出しは落雪の前兆
● 玄関前こそ最も危険な場所
● 子ども・車・自転車を落雪ゾーンから離す
● 雪下ろしはプロに依頼
● 歩行中も軒下を通らない
結論：
防災士として強く伝えます。 落雪は“予兆を知り、屋根下に近づかない”だけで防げる災害。 家族全員で“落雪ゾーン”を共有し、冬の突然事故から命を守ってください。
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