【防災士が解説】防災×屋根の雪下ろし|“転落・窒息・屋根破損”が最も多い冬の危険作業をどう防ぐか

屋根の雪下ろしは、
冬の家庭で最も死亡事故が多い作業 のひとつ。

● 転落
● 雪に埋まる窒息
● 屋根の破損
● はしごの転倒
● 足場の崩れ
● 落雪に巻き込まれる

こうした事故が毎年発生している。
ここでは、防災士として
“安全に雪下ろしを行うための絶対ルール”
を分かりやすく解説する。


■① 雪下ろし中の死亡事故の7割は“転落”

最も多いのは 屋根からの転落事故

● 屋根が滑る
● 雪で足元が見えない
● 氷でツルツル
● はしごがズレる
● 強風でバランスを崩す

屋根作業は通常時でも危険なのに、
“雪・氷”が加わることで事故率が跳ね上がる。

→ 単独作業は絶対に禁止。 → 命綱・ヘルメットは必須。


■② はしご事故が多発。“固定していない”が最大原因

雪下ろし事故の多くは屋根ではなく、
はしごの昇降時に起こる。

● はしごの角度が浅い
● 下が雪で不安定
● 上が屋根にかかっていない
● 風で揺れる

はしごは、

● 必ず誰かが支える
● 雪を踏み固めて設置
● 角度75度をキープ
● 上端をロープで固定

これが鉄則。


■③ 屋根の端は“空洞・軟弱”。踏み抜き事故が起きる

屋根の端は雪の重みで弱くなり、

● 踏み抜き
● 転落
● 屋根が破損

につながる。

特に古い家やトタン屋根は危険。

→ 屋根の端から1m以内は歩かない。 → 端はスコップで手前から削る。


■④ 雪に埋まり“窒息”する事故が多い

雪下ろし中に滑って雪山に落ちると、
10〜30秒で呼吸ができなくなる。

● ふわふわの雪が一気に顔を覆う
● 自力で起き上がれない
● 声が雪に吸収され助けを呼べない

だからこそ、

● 必ず二人以上で作業
● 落ちたらすぐ掘り起こす
● 携帯電話を防水ポーチに入れておく

が必須。


■⑤ 雪を落とす“方向・順番”を間違えると危険

安全な雪下ろし手順はこれ。

① 上から手前へ
② 軒先から落とさない
③ 自分の足元を常に作る
④ 雪の落下方向を固定

特に危険なのは “自分の立つ方向に落とす” 行為。
落雪に自分が巻き込まれる。


■⑥ 一番安全なのは“屋根に上がらない方法”

屋根に上がるほど事故率は急上昇する。

安全なのはこれ。

● 屋根雪下ろしポール(雪落とし棒)
● 1階軒先の雪だけ落とす
● 屋根裏断熱で積雪量を減らす
● 暖房の使い方で雪の付き方を調整する

どうしても危険なら、

→ 迷わず業者に依頼する。

これは命を守る最大の防災。


■⑦ 自治体には“雪下ろし支援”がある

雪国では多くの自治体が、

● 雪下ろし補助金
● ボランティア派遣
● 高齢者支援制度

を実施している。

高齢者のみ世帯の事故が多いため、
地域で支える体制が作られている。


■⑧ 雪下ろし中の服装・装備が命を守る

必須装備はこれ。

● ヘルメット
● 命綱
● 滑り止め付き長靴
● 防水手袋
● 断熱インナー
● 落下防止ロープ
● 携帯電話(首から下げる)

冬の屋根作業は“完全防備”が前提。


■まとめ|雪下ろしは“家庭で最も危険な作業”。無理をしないことが命を救う

この記事のポイント。

● 雪下ろし死亡事故の7割は転落
● はしごの固定は絶対条件
● 屋根の端は踏み抜き事故が多い
● 雪に埋まると30秒で窒息する危険
● 上から手前へが基本
● 屋根に上がらない方法が最も安全
● 自治体支援制度を必ず確認
● 防寒・防滑・命綱の装備が必須

結論:

防災士・元消防職員として強く伝えます。 “雪下ろしは毎年、人の命を奪う作業”です。 迷ったら登らない。危険なら業者へ依頼。 安全を最優先に、この冬を乗り切ってください。

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