【防災士が解説】防災×料理|“冬の災害はキッチンから始まる”。寒い季節こそ安全に作るための家庭防災

冬は「料理中の事故」が一年で最も増える季節。
特に寒波・大雪・停電・乾燥が重なる12月〜2月は、

● 調理中の火災
● 換気不足による一酸化炭素中毒
● 停電で途中調理ができない
● ガス停止・断水
● 滑りやすい床で転倒
● 食中毒(冬でも起こる)

こうした“料理に潜む冬の災害リスク”が一気に高まる。

ここでは、防災士として
“冬の料理を安全にするための家庭防災”
をわかりやすく解説する。


■① 冬は“調理中の火災”が最も多い季節。乾燥+暖房器具が原因

12月〜2月は空気が乾燥し、火災が急増する。

● 揚げ物の過熱
● ガス台の油汚れ
● コンロ周りの可燃物
● ストーブの近くで干す洗濯物

冬の調理は火の回りが早く、
一度燃えると炎が強くなりやすい。

【対策】
● 揚げ物中は絶対に離れない
● コンロ周りの油汚れを落とす
● キッチンペーパーを近くに置かない
● ガスホースの劣化チェック

“油汚れ × 冬の乾燥”は火災の最悪コンビ。


■② 停電でも料理が続けられる家庭は強い。“代替熱源”が必須

冬の停電は、
“ガスもIHも使えない=料理できない”状態になる。

【代替手段の例】
● カセットコンロ
● ポータブル電源+電気ケトル
● 卓上バーナー
● 固形燃料

特に カセットコンロ+ボンベ6〜9本 は冬の命綱。

停電時でも、

● 鍋で湯を沸かす
● インスタント食品を作る
● 温かい飲み物を取る

この“温かいものを食べられる環境”が健康を守る。


■③ 冬の料理は“換気不足が命取り”。一酸化炭素中毒の危険

窓を閉め切る冬は
“ガス火×換気不足=一酸化炭素中毒”が起こりやすい。

● 頭痛
● めまい
● 意識低下
● 最悪は死亡

【対策】
● 調理中は換気扇を必ずON
● 30分に1回は窓を少し開ける
● 石油ストーブとキッチン火器の併用は避ける

冬は“暖房器具とガス火が同時に動く”ため危険が2倍。


■④ 断水すれば“料理不能”。冬こそ水の備蓄が命を守る

冬は水道管凍結・破裂で断水しやすい。

すると料理は一気に制限される。

● 野菜が洗えない
● 鍋も皿も洗えない
● 米が研げない
● 手洗いできない

【備蓄する水の量】
1人1日3L × 家族3日分(最低ライン)

さらに、冬は

● ウェットティッシュ
● アウトドア用洗浄スプレー
● ラップ(皿に敷くと洗い物不要)

があると“断水中でも料理可能”になる。


■⑤ 冬でも食中毒は起きる。ノロウイルスはむしろ冬に最大化

意外だが、冬は“ノロウイルス食中毒”が最多。

● 生ガキ
● 調理器具のウイルス付着
● 手洗い不足
● まな板の使い回し

特に鍋料理は“生肉を触った手”で調理を続けるミスが多い。

【対策】
● まな板は肉・魚・野菜で分ける
● 手袋調理も有効
● 加熱は85℃以上1分
● キッチンハイターで消毒

弱い家族(乳幼児・高齢者)は重症化しやすいので注意。


■⑥ 冬のキッチンは“床が滑りやすく転倒が増える”

冬は水滴が床で冷え、転倒事故が増える。

● 結露が落ちる
● 洗い物の水が飛ぶ
● 料理中に床が濡れる

【対策】
● キッチンマットを敷く
● 足元照明をつける
● スリッパは滑り止め付き
● 床はすぐ拭く習慣をつける

転倒→骨折→入院は冬に多い。


■まとめ|冬の料理は“火災・停電・断水・中毒・転倒”すべてと隣り合わせ

この記事のポイント。

● 冬は調理中の火災が最多
● 停電でも作れる料理環境づくりが命を守る
● 換気不足は一酸化炭素中毒の危険
● 断水は料理そのものを不可能にする
● 冬でもノロウイルス食中毒が多い
● 冬のキッチンは転倒リスクが高い

結論:

防災士として、元消防職員として強く伝えます。 “冬の料理=災害対策の中心”。 火・ガス・水・電気が揃うキッチンこそ、 一番事故が起きやすい場所。 安全な調理環境を整えるだけで、 家族の命を確実に守れます。

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