マンションでの停電は、
一戸建て以上に 深刻な影響 をもたらす。
特に冬は、
● 暖房停止
● 給湯器停止
● エレベーター停止
● 水が出ない
● トイレが流れない
これらが同時に起こるため、
「電気が止まる=生活がほぼ機能しない」 と考えてよい。
ここでは、防災士として
“マンション停電のリアルな危険性と冬の備え方”
を徹底解説する。
■① エレベーター停止は“最も危険”。高層階は孤立しやすい
マンション停電でまず起きるのが エレベーター停止。
● 子ども・高齢者が帰宅できない
● 買い物袋を運べない
● 急病人を運べない
● ベビーカーが上がれない
● 足腰の弱い人は実質“外出不可”
特に冬は寒さで体力が落ちるため、階段の昇降が危険。
高層階ほど、
“長時間の孤立” が発生しやすい。
事前にやるべきは、
● 低層階に住む知人の連絡先
● 緊急時の荷物最小化
● 階段のルート確認
● 子どもを一人で階段移動させない
停電=マンションでは「移動を奪われる」災害。
■② 冬の停電で最も危険なのは“暖房が使えないこと”
マンションは気密性が高いが、
停電すると 暖房が完全に停止 する。
● エアコン停止
● 給湯器停止
● 床暖房停止
● 浴室暖房停止
特に夜〜早朝は室温が一気に下がる。
家庭で備えておくべきは、
● 毛布・寝袋
● カイロ
● 充電式カイロ
● ダウンジャケット
● 湯たんぽ
● 厚手の靴下
マンション停電では “防寒=命を守る行動” になる。
■③ 上層階は“断水する”可能性が高い
多くのマンションは電動ポンプで水を供給しているため、
停電でポンプが止まると、
● 水が出ない
● トイレが流れない
● 手洗い不可
● 食器洗い不可
高層階ほど影響が大きい。
対策は、
● 水(最低3日分)
● 飲料水+生活用水
● ポリタンク
● ジップロックで食器代替
● トイレ用の応急水(風呂に張り置き)
特に冬は 断水+寒さ+停電 のトリプルコンボが起きやすい。
■④ キッチンとお風呂が“完全に使えなくなる”
停電すると、
● 給湯器停止
● IHコンロ停止
● 換気扇停止
● 照明ゼロ
料理も入浴もできない。
備えるべきは、
● カセットコンロ
● ボンベ3〜6本
● ランタン
● 常温でも食べられる食品
● 体拭きシート
● ドライシャンプー
冬は体が冷えるため
“入浴できない期間に使うアイテム”が命を守る。
■⑤ 夜間の停電は“想像以上に危険”
マンションは窓が少なく、
夜は真っ暗になる。
● 子どもの転倒
● 階段での転落
● 配線につまずく
● キッチンで怪我
● 非常時のパニック
“明かり”の有無で安全性が大きく変わる。
準備は、
● 懐中電灯(寝室・玄関)
● ランタン(停電用は吊り下げ式が◎)
● スマホライトは緊急用に温存
光があるだけで、
移動・食事・トイレが安全にできる。
■⑥ 停電時は“外からの情報”が途絶えやすい
マンションのど真ん中にいると、
外で何が起きているか分からなくなる。
● Wi-Fi停止
● PC使用不可
● スマホの通信混雑
● 充電枯渇
そのため、
● モバイルバッテリー2〜3個
● 予備の充電ケーブル
● モバイルWi-Fi
● ラジオアプリ(電池温存)
情報が命を守る。
■まとめ|マンション停電は“高層の弱点”が一気に露呈する
この記事のポイント。
● エレベーター停止=移動が奪われる
● 暖房停止は冬の最大リスク
● 上層階ほど断水しやすい
● キッチン・風呂は全停止
● 夜間の暗闇は事故多発
● 情報が遮断されやすい
結論:
防災士として、そして元消防職員として断言します。 マンションの停電は“家の機能をすべて奪う災害”。 防寒・水の備蓄・明かり・モバイル電源の4つを用意するだけで、 冬の停電でも命を守れる家になります。

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