一見ほっこりする「雪だるまづくり」。
しかし防災士として見れば、
雪だるまは 冬の危険(転倒・落雪・低体温・雪質変化)を知る教材 になる。
ここでは、
“雪だるま=冬の危険を見える化するツール”
という視点で、防災ポイントをまとめる。
■① 雪だるまの“重さ”は子どもの転倒事故の指標になる
丸めた雪は見た目より圧倒的に重い。
● 直径40cmでも約20〜30kg
● 水分の多い雪だと40〜50kg超
子どもが転がすと、
体のバランスを崩して転倒 → 捻挫・打撲 が増える。
安全に遊ぶためには、
● 斜面で作らない
● 人通りの多い道で作らない
● 小さめのサイズから始める
雪だるまの“重さ理解”は、雪道の危険察知に直結する。
■② 雪質で“スリップ危険度”がわかる
雪だるまを作ると、雪質が手で分かる。
● キュッと固まる雪 → 水分が多い=滑りやすい
● サラサラの雪 → 気温が低い=凍結しやすい
● 重く湿った雪 → 落雪・屋根の雪下ろしが危険
雪質を知るだけで、
● どこが滑るか
● どのルートで歩くべきか
● 車を動かすべきか
判断がしやすくなる。
雪だるま作りは【天然の気象観測】でもある。
■③ 雪だるまが“翌朝どう変化したか”で路面凍結がわかる
作った雪だるまが、
● 表面がカチカチ
● 氷の膜ができている
● 白さが消えて固まっている
この状態は 路面凍結のサイン。
特に、
● 晴れた朝
● 気温が−1〜0℃付近
● 前日に湿った雪が降ったとき
はブラックアイスバーン発生率が上がる。
雪だるま=家庭用の“凍結予報器”にもなる。
■④ 大きい雪だるまは“落雪事故”の危険エリア判断に使える
雪だるまを屋根の軒下に置くと、
すぐに分かるのが 落雪の範囲。
● 雪だるまが潰れた
● 雪の塊が落ちてきた
● 広い範囲に雪が散乱
これらは、
→ その家の落雪危険エリア である。
雪だるまを“落雪ラインの可視化”に使うと、
子どもや高齢者の安全につながる。
■⑤ 雪だるま遊びで最も注意すべきは“低体温症”
子どもは夢中になると寒さを忘れる。
● 手足のかじかみ
● 顔色の変化
● 唇の紫色
● 震え
これらは 低体温症の初期症状。
雪遊びは30〜40分に1回、
暖かい部屋で休憩を入れるのが防災として正解。
■⑥ 雪だるまは“子どもと防災を学ぶ最高の教材”
雪だるまを通して、
以下の冬リスクを学べる。
● 雪の重さ=転倒・建物倒壊の理解
● 雪質=凍結・滑りやすさの理解
● 雪の変化=翌朝の危険予測
● 落雪範囲の可視化
● 低体温症への気づき
これは 小学生でも分かる気象教育+防災教育 になる。
■まとめ|雪だるまは“冬の危険を教えてくれる防災ツール”
この記事のポイント。
● 雪の重さは転倒・建物被害の指標
● 雪質チェックで凍結危険度がわかる
● 雪だるまの凍結は翌朝の路面凍結サイン
● 雪だるまは落雪範囲の可視化にも使える
● 低体温症に注意
● 子どもの冬の防災教育に最適
結論:
防災士として伝えたいのは、 雪だるまはただの遊びではなく“冬の気象と危険性を学ぶ最高の教材”。 楽しみながら防災力を高められる、家族にとっての学びの道具です。

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