IRT(Incident Response Team)は、
災害・事故・トラブル発生時に 最初に対応する専門チーム のこと。
企業・自治体・学校・病院など、
あらゆる組織が導入し始めており、
初動の速さと質が“被害の大小”を大きく左右する。
ここでは元消防職員として、
“災害現場の視点で見たIRTの重要性”
をわかりやすく解説する。
■① IRTは「災害の初動」を担う最重要チーム
災害や事故では、最初の10分がすべてを決める。
IRTの初動任務は、
● 状況把握
● 負傷者の確認
● 119・110通報
● 初期消火
● 避難開始の判断
● 建物内の安全確認
● 経営層への情報共有
この動きが遅れると、
被害は指数関数的に拡大してしまう。
IRT=組織の「初動の司令塔」 だ。
■② IRTがない組織は“誰が何をするか”が決まらず混乱する
災害時に最も危険なのは、
「誰も動けない時間」 が生まれること。
● 誰が通報する?
● 誰が避難誘導する?
● 誰が負傷者を見る?
● 情報はどこに集める?
これが決まっていないと、
職場・学校・施設は一瞬でパニックになる。
IRTが存在するだけで、
● 指揮系統
● 動き方
● 現場対応
が明確になり、混乱が激減する。
■③ IRTの基本構成(最小限でOK)
組織の規模に関わらず、IRTはシンプルで良い。
● 指揮担当(チーフ)
● 安全確認担当(建物・火災・設備)
● 避難誘導担当
● 救護担当(応急手当)
● 情報・記録担当
小さな会社・学校なら
“合計3名でも十分機能する”。
■④ 消防の現場から見た「強いIRT」と「弱いIRT」の違い
元消防職員として現場を見てきた経験から言うと、
▼強いIRT
● 全員が役割を理解している
● 避難の声かけが早い
● 初期消火が早い段階で入る
● 正しい通報ができる
● 定期訓練をしている
▼弱いIRT
● 動ける人が突然の欠勤で不在
● 訓練が一度も行われていない
● 通報内容が不正確
● 避難開始が遅れる
● 情報が分散して整理されない
“強いチームは初動のスピードが違う”。
■⑤ IRTの存在は「従業員・児童・住民の安心感」を生む
IRTがある職場は、災害時に
●「誰かが動いてくれる」
●「自分も支えあう側になれる」
という安心感が広がる。
心理的安全性が高い組織は
リスク耐性も高まり、
災害時の行動がスムーズになる。
■⑥ IRTは“地震・火災・水害・停電”すべてに効果を発揮
IRTは特定の災害だけでなく、
● 地震
● 火災
● 水害
● 停電
● 建物トラブル
● 事故
● 感染症対応
あらゆる緊急事態の“最初の砦”になる。
特に地震では、
避難誘導や負傷者対応が即座に必要となり、
IRTの存在が生死を分ける。
■まとめ|IRTは“組織の命を守る初動チーム”。導入こそ最大の防災
この記事のポイント。
● IRTは災害時の初動を担う司令塔
● 人が動けない時間をゼロにする効果
● 最小人数でも十分に機能
● 強い組織は訓練と役割分担が徹底
● 地震・火災・水害など全災害で必須
結論:
元消防職員として断言します。 IRTの有無は「組織が生き残るかどうか」を決める。 完璧な備えより、まず“初動を動かせる人”を作ること。 それが、最大の防災です。

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