消防と聞くと「火を消す人」「救助する人」を想像しがちだが、
実は そのすべてを支える“縁の下の力持ち”が後方支援隊 である。
彼らがいなければ、現場はすぐに動けなくなる。
ここでは元消防職員として、
“後方支援隊が何をして現場を支えているのか”を徹底解説する。
■① 消防隊の“燃料・水・物資”を補給する補給部隊の中心
現場活動を続けるためには、
● 燃料
● 水
● バッテリー
● 食料
● 飲料
● 医療資材
● 防護装備
が必要になる。
後方支援隊は、これらを現場へ正確に届ける。
特に大規模火災や災害では、
現場の物資が途切れれば活動継続は不可能。
補給こそが後方支援の最重要任務だ。
■② ホース・資器材の交換・修理を担当する“現場の整備士”
火災現場では、
● ホースの破損
● 継手の故障
● ノズルの詰まり
● 防火衣の破損
● 呼吸器ボンベの残圧不足
など、トラブルが頻発する。
後方支援隊は、
● 破損ホースの回収
● 新しいホースの補給
● 呼吸器ボンベの交換
● 使えない資器材の修理
● 車両への装備の再セット
という“現場の整備”を全て担う。
彼らの仕事が早いほど、現場の動きが止まらない。
■③ 水利確保チームを後方から支える
水利班（ポンプ隊）が活動中に必要となるのが、
● 追加ホース
● 中継ポンプ
● 吸管器材
● ホースブリッジ
後方支援隊はこれらを運び、
現場に不足が出ないように支援する。
水が止まれば火災は拡大するため、
後方支援隊の補助は極めて重要。
■④ 食事・休息スペースを整え、隊員の体力を維持する
長期災害では
隊員の 体力・集中力の消耗 が深刻となる。
後方支援隊は、
● 温かい飲み物の準備
● 簡易食の提供
● 休憩スペースの確保
● 防寒装備の補給
を担当し、隊員のコンディションを守る。
隊員の体力維持＝救助活動の継続力 である。
■⑤ 情報連携・無線中継・指揮支援の補助
災害現場では、無線が届かない場合や
情報が錯綜することが多い。
後方支援隊は、
● 無線の中継
● 情報整理
● 指揮本部との連絡役
● GPS位置把握の補助
といった 指揮支援の裏方 も担っている。
現場判断の速度は後方支援隊が左右するといっても過言ではない。
■⑥ 長期災害では“隊員交代・車両管理”を行う
広域災害（豪雨・地震など）では活動が数日〜数週間続く。
後方支援隊は、
● 交代隊員の手配
● 車両の点検・整備
● ガソリン補給
● 資器材の再配置
● 活動後の装備洗浄
など、
“隊員が再び出動可能な状態”を整える役割を持つ。
■⑦ 遺体収容支援・災害特殊任務の補助
大規模災害では、
● 遺体収容の補助
● 搬送用資器材の準備
● 消毒作業
● 遺族対応支援
など、精神的に過酷な任務も行う。
現場の負担を分散し、
隊員が救助に専念できる環境を作る。
■まとめ｜後方支援隊は“消防活動の生命線”
この記事のポイント。
● 燃料・水・装備の補給を一手に担う
● 破損資器材を修理・交換し現場を止めない
● 水利班・ポンプ隊を裏から支える
● 隊員の食事・休憩をサポートし体力を維持
● 無線・情報連携で指揮を支える
● 車両整備・隊員交代で災害継続力を確保
● 大規模災害では特殊任務も担当
結論：
元消防職員として断言します。 後方支援隊は“消防活動の影の主力部隊”。 彼らの働きがあるからこそ、 最前線の消防隊は全力で人命を救えるのです。
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