豪雨や台風のたびに報じられる「床上浸水」。
実はこの被害、ほんの数十センチの水で家電・家具・生活すべてが機能不全になります。
でも正しい対策を知っておけば、被害は大幅に減らせます。
「床上浸水を防ぐ=家を守る最前線の防災」です。
① 家まわりの点検が“第一の防災”
✅ 排水溝・側溝の掃除を月1回
落ち葉や土砂で詰まると、水の逃げ場がなくなり逆流の原因に。
✅ 雨樋(あまどい)の確認
詰まりや破損があると、屋根からの雨水が壁伝いに流れ込み床下へ。
✅ 庭・駐車場の傾斜をチェック
家側に傾いていると、雨水が家に流れ込みやすい。
→ 「排水方向が道路側」になるよう整備を。
✅ 止水板・土のうを常備
玄関・ガレージ・勝手口の高さを超える水が入らないよう、“一瞬で設置できる備え”が命を守ります。
② 玄関・排水口からの逆流を防ぐ
✅ 逆流防止弁の設置
トイレ・浴室・洗濯機の排水口から逆流することが多い。
→ 専用の「逆止弁(ぎゃくしべん)」を付けることで、下水の逆流を防げます。
✅ マンホール・排水桝の位置を確認
水位が上がったときに“どこから溢れるか”を知っておくことが重要。
✅ 大雨時はトイレ・浴室の使用を控える
排水能力を超えると、汚水が逆流して室内に流れ込む危険があります。
③ 建物そのものを“浸水に強くする”
✅ 床の高さを上げる(嵩上げ)
新築・リフォーム時に30〜50cm上げるだけで被害が激減。
✅ 床下換気口に止水シャッターを設置
浸水は床下から始まります。シャッター式なら自動で閉まり、床下浸水を防止。
✅ 防水塗装・モルタル補修
外壁や基礎のひび割れは“水の侵入口”。早めの補修で守ることができます。
④ 家の中の“被害を減らす工夫”
✅ 電化製品・コンセントを高めに設置
床から60cm以上が理想。冷蔵庫・洗濯機も“かさ上げ台”で守る。
✅ 大切な書類・通帳・思い出品は2階へ
写真アルバム・契約書・保険証書など、浸水後に後悔するものNo.1です。
✅ 家財保険・水災補償の確認
火災保険だけでは浸水はカバーされない場合も。
→ 「水災特約」が付いているか必ず確認。
⑤ 防災士がすすめる“浸水防止チェックリスト”
【元消防職員・防災士】として現場で見た“守れた家と守れなかった家”の違いは、
「たった数分の準備」と「日頃の点検」でした。
🔹 排水溝・雨樋を定期清掃している
🔹 止水板 or 簡易土のうがすぐ設置できる
🔹 家の周囲の水の流れ方を把握している
🔹 重要書類を2階に保管している
🔹 水災補償を確認済み
この5つを実践するだけで、浸水リスクは劇的に下がります。
まとめ:床上浸水を防ぐのは「数センチの意識」
災害時、わずか30cmの水でも家は機能を失います。
しかし、その30cmを“防ぐ努力”で未来は守れる。
防災とは、特別なことではなく“家を少しずつ強くする工夫”です。
今日からできる小さな対策が、家族と暮らしを守ります。
【元消防職員・防災士】として、
私は“床上浸水を防ぐことは、最も現実的な命の防災”だと伝えたいです。
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