古い家を「おしゃれに」するリノベーション。
でも、防災目線で考えれば――それは“命を守る再生工事”でもあります。
災害が増える時代にこそ、見た目の快適さ+安全性能を両立させた
“防災リノベーション”が注目されています。
防災リノベーションとは?
見た目を変える「リフォーム」と違い、
「家の性能そのものを底上げして、災害に強くする」のがリノベーション。
✅ 耐震
✅ 断熱
✅ 防火
✅ 水害対策
✅ バリアフリー
これらを組み合わせて、“暮らしながら命を守る家”をつくることが目的です。
防災リノベーションの5つの柱
1️⃣ 耐震リノベーション
古い木造住宅の多くは耐震基準が不足。
→ 壁・基礎の補強、金物接合で「倒れない家」に。
2️⃣ 断熱・省エネリノベーション
災害時の停電・猛暑・寒波にも強くなる。
→ 室温が安定し、熱中症・低体温症のリスクを軽減。
3️⃣ 防火リノベーション
防火サイディング・感震ブレーカー・耐火クロスで、
火災の延焼や通電火災を防ぐ。
4️⃣ 水害・浸水対策リノベーション
止水板設置・床下防水・嵩上げ(かさあげ)で、
床上浸水を防ぎ、被害を最小限に。
5️⃣ バリアフリーリノベーション
災害時の避難・移動をスムーズに。
→ 手すり・段差解消・滑りにくい床材が“避難動線”を守る。
防災士がすすめる「暮らしを守る改修ステップ」
【元消防職員・防災士】として伝えたいのは、
“見た目よりも命を優先するリノベ順序”です。
🔹 第1段階:命を守る(耐震・防火)
倒れない、燃えない家を優先。
🔹 第2段階:生活を守る(断熱・防水・バリアフリー)
停電や断水時でも暮らしを維持できるように。
🔹 第3段階:心を守る(快適さ・デザイン・コミュニティ)
安心できる家は、心の余裕を生み出します。
防災リノベーションで得られるメリット
✅ 住み慣れた家で安全に暮らせる
新築より低コストで“防災力”を高められる。
✅ 固定資産価値が上がる
耐震・断熱性能の向上で、資産価値が長く維持される。
✅ 補助金の対象になる
自治体によっては耐震・省エネ・防火改修に補助制度あり。
✅ 防災グッズより“継続的な安心”を生む
一度の投資で、何十年先まで“命を守る環境”をつくれる。
防災士の視点:家を強くすれば「避難しない防災」ができる
多くの人が「避難所へ行く防災」を想像しますが、
これからは“家で守る防災”=在宅避難が主流になります。
災害に強いリノベーションを施せば、
・停電時も電気が使える(太陽光・蓄電池)
・床上浸水しない(止水対策)
・安全に移動できる(バリアフリー)
――つまり、「家そのものが避難所」になるのです。
まとめ:防災リノベーションは“命のアップデート”
リノベーションの本当の目的は、
“快適さ”ではなく“安心して暮らせる家を再構築すること”。
古い家でも、
耐震+防火+断熱+防水――この4つを整えれば、
最新の「防災住宅」に生まれ変わります。
【元消防職員・防災士】として、
私は“リノベーションは命を守る家の再設計”だと伝えたいです。
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