台風や豪雨、ゲリラ豪雨――。
ここ数年、日本各地で「想定外」の水害が頻発しています。
実はこの“水の災害”こそ、火災よりも発生率が高く、被害額も大きいのです。
そして、火災保険だけでは水害は補償されない場合もあります。
だからこそ今、防災とセットで考えるべきなのが「水害保険」。
それは、家と家計を守る“経済の防災”です。
水害保険とは?
一般的には、火災保険に含まれる「水災補償特約」のことを指します。
対象となるのは、次のような自然災害による被害です。
・河川の氾濫
・土砂崩れ
・豪雨による床上・床下浸水
・台風や高潮、堤防決壊による冠水
これらの被害で建物や家財が損壊したとき、修繕費や再建費、家財補償を受けられるのが水害保険です。
火災保険との違い
火災保険は、火事や落雷、風災などを補償します。
一方、水害保険(火災保険の水災特約)は、洪水・土砂災害・高潮・床上浸水などが対象です。
つまり、火災保険に加入していても「水害特約なし」では補償ゼロの可能性があります。
内陸部でもゲリラ豪雨による“都市型浸水”が増えている今、見直しは必須です。
水害保険が“防災的に”重要な理由
一つ目は、再建費用を確保できること。
床上浸水になると、家電や家具、床や壁紙が全滅することも多く、修繕費が数百万円にのぼるケースもあります。
二つ目は、家財まで守れること。
建物だけでなく、冷蔵庫・テレビ・布団などの生活用品まで補償対象になります。
三つ目は、仮住まい費用をカバーできる点です。
住めなくなった期間の賃貸・ホテル代が出るプランもあります。
そして四つ目、公的支援金だけでは生活再建に十分ではないという現実です。
最大100万円の支援金では、修理にも満たない場合が多いため、水害保険が“生活の再建資金”を守る要になります。
防災士がすすめる“水害対策+保険”の黄金セット
【元消防職員・防災士】として現場で見てきた経験から言うと、
「備えと保険はセット」でなければ、本当の防災とは言えません。
物理的な備えとしては、止水板・土のう・逆流防止弁・排水点検など。
経済的な備えとしては、火災保険+水害特約+家財補償の組み合わせ。
そして情報の備えとして、ハザードマップの確認や避難経路の共有。
この三つがそろって初めて、“水害に折れない家庭”になります。
加入前にチェックすべきポイント
・ハザードマップで自宅周辺の水害リスクを確認すること。
・補償条件(床上浸水・損害率30%など)を理解すること。
・家財の金額設定を実際の生活に合わせて見直すこと。
・地震保険と併用して「複合災害」に備えること。
これらを押さえておけば、いざという時に「保険が使えなかった」という後悔を防げます。
まとめ:水害保険は“再建のための防災”
防災とは「命を守ること」。
水害保険とは「生活を立て直すこと」。
命が助かっても、家と家計を失えば再出発は難しい。
だからこそ、水害への“経済的な備え”が防災の仕上げになります。
【元消防職員・防災士】として、
私は“水害保険は家計の防災リュック”だと伝えたいです。
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