災害は家にいるときだけ起きるとは限りません。
職場で地震・豪雨・停電が発生するケースは非常に多く、
そのときの行動が同僚や周囲の安全を左右します。
「自分さえ助かればいい」ではなく、
“職場での他者貢献” を意識することで、
被害を大きく減らすことができます。
防災士として、職場における他者貢献のポイントを整理します。
■① 職場は“集団行動”になるため他者貢献が特に大切
家と違い、職場は多くの人が集まっています。
- 年齢も違う
- 体力も違う
- 立場も違う
- 防災意識も違う
それぞれ環境が異なるからこそ、
一人の行動が全体に大きく影響します。
災害時、冷静にサポートできる人が職場にいるだけで、
安全性は大きく向上します。
■② 「まず落ち着く」を周囲に伝えることが貢献になる
災害時の職場では、
パニックや混乱が連鎖しやすい傾向があります。
その中で、
- 「落ち着きましょう」
- 「まず安全を確保しましょう」
- 「机の下に入ってください」
この一言が、周囲の安全を守る力になります。
言葉が“安全のリーダー”になる瞬間です。
■③ ケガをしやすい人に目を配る
職場はバリアフリーではない場所も多く、
- 足元に段差
- 荷物が多い
- キャビネットが倒れる
- ガラスの破片
など、危険が多く存在します。
特に、
- 高齢の同僚
- 動きが遅い人
- 妊娠中の職員
- 新人職員
こうした人の安全を気にかけるだけでも、
大きな他者貢献になります。
■④ 正しい情報を冷静に共有する
職場では不確かな情報が広まりやすいため、
正確な情報共有が必要です。
- 避難指示
- 気象警報
- 火災・ガス漏れなどの危険
- 避難ルート
- 安全確認の方法
あなたが正しい情報を落ち着いて伝えるだけで、
混乱を防ぐ大きな助けになります。
■⑤ 避難行動は“声かけの量”で変わる
避難が遅れる理由は「迷い」と「遠慮」。
職場では特にその傾向が強く、
周囲の様子をうかがってしまう人が多いです。
だからこそ、
- 「一緒に行きましょう」
- 「ここは危ないので移動しましょう」
- 「先に安全な場所に行ってください」
と声をかける人が一人いるだけで、
避難スピードは一気に上がります。
■⑥ 特に“最後の確認”は他者貢献の大きなポイント
避難時には、以下の確認が欠かせません。
- トイレに残っている人はいないか
- 一人で動けない人はいないか
- エレベーターに閉じ込められていないか
- 非常口が使える状態か
- 取り残しがないか
この“最後の目”が、命を救います。
■⑦ 職場の備蓄・防災用品の管理も大切な貢献
職場の備蓄は意外と把握されていないことが多いです。
- どこにあるか分からない
- 古くなっている
- 個数が合わない
- 災害時に取り出せない場所にある
こうした職場は多いのが現実。
備蓄の場所を確認したり、
必要な物を提案する行動は、
大きな他者貢献につながります。
■⑧ 災害後のメンタルケアも職場では重要
災害が起きた後、
- 不安
- 余震への恐怖
- 家族への心配
- 仕事が手につかない
など、精神的なダメージを感じる人もいます。
「大丈夫ですか?」
「必要なことがあれば言ってくださいね」
この一言が支えになります。
災害後の寄り添いも、立派な他者貢献です。
■まとめ|職場で“支え合える存在”がいるだけで災害は乗り越えやすくなる
職場は災害時に混乱しやすい場所ですが、
一人の落ち着いた行動・声かけ・配慮が
多くの命を守る力になります。
- 声かけ
- 情報の伝達
- 安全確認
- 避難の手助け
- 心のケア
これらの行動が、職場全体の防災力を確実に高めます。
結論:
職場での思いやりと冷静な行動は、そのまま他者貢献。 防災士として、職場の支え合いが命を守る大きな力になると強く伝えたい。

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