日本では毎年のように大きな地震が発生しています。
その中で、科学的な観測データをもとに「今後どの地域がどれだけ揺れやすいか」をまとめたものが
全国地震動予測地図(地震ハザードステーション:J-SHIS) です。
専門的な内容ですが、
この地図を知ることは、家庭防災・地域防災・企業防災のすべてに役立ちます。
■① 全国地震動予測地図とは?
全国地震動予測地図(J-SHIS)は、
地震が発生した際の「揺れやすさ」を全国規模で示した地図です。
- どの地域が揺れやすいのか
- 震度6弱以上の地震がどれくらい発生しやすいか
- 活断層の特徴
- プレート型巨大地震の影響範囲
- 地盤の強さや揺れ方
国の研究データを集約した、日本で最も信頼性の高い地震リスク地図です。
■② 「30年以内の震度6弱以上の確率」が分かる
全国地震動予測地図は、
「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を示しています。
- 北海道から九州まで地域ごとの確率を評価
- 活断層・プレート境界の状況を反映
- 過去の大地震データを活用
- 毎年更新される
“数字で危険を知る”ことが、備えのきっかけになります。
■③ 揺れやすさは「地域差」が大きい
地震のリスクは全国共通ではありません。
- 活断層が密集する地域
- 地盤が軟弱な地域
- プレート境界に近い地域
- 内陸型地震が多い地域
- 過去に大きな地震が多発した地域
こうした特徴が重なるほど、揺れやすさが高くなります。
■④ 自宅・職場・学校ごとに“揺れ方が違う”
大切なのは 市町村単位ではなく“住所単位”で揺れやすさが違う ということです。
- 同じ市内でも地盤の強さが違う
- 谷底低地・埋立地は揺れが大きい
- 丘陵地は比較的揺れにくい
- 川沿い・旧河川は震度が上がりやすい
全国地震動予測地図では、地盤分類や揺れの増幅度も確認できます。
■⑤ 予測地図は「地震を当てる地図」ではない
ここを誤解しないことが大切です。
全国地震動予測地図は
「この地域で地震が起きる」と断言するものではありません。
目的は以下のとおりです。
- 地震リスクを知る
- 備えるきっかけにする
- 公共施設や学校の耐震化に活用する
- 企業のBCP対策に生かす
予測ではなく “防災判断の資料” です。
■⑥ ハザードマップと組み合わせると効果が大きい
全国地震動予測地図は、
単体で見るより、他の地図と組み合わせると防災効果が高まります。
- 市区町村の防災マップ
- 浸水ハザードマップ
- 土砂災害警戒区域図
- 液状化マップ
- 火災延焼危険度マップ
地震そのものだけでなく、
“揺れた後に何が起こるか”まで想定できます。
■⑦ 住宅の耐震化判断の材料になる
予測地図から「揺れやすい地域」と分かれば、
耐震化の優先度が高まります。
- 古い木造住宅は揺れに弱い
- 耐震診断を受けるきっかけになる
- 家具固定の重要性が理解しやすい
- 家族の避難行動を見直せる
数字で理解することで、行動が変わります。
■⑧ 家族の命を守る“避難判断の根拠”になる
全国地震動予測地図は、家庭の防災判断にも役立ちます。
- 地震後の津波の可能性
- 土砂災害の危険地域
- 避難すべき方向
- 自宅待機が安全かどうか
- 避難所までの距離の見直し
「自分の地域の特性」を知ることで、
避難判断の迷いが減ります。
■まとめ|全国地震動予測地図は“未来の命を守る防災情報”
全国地震動予測地図は、
地震リスクを科学的に見える化した、日本で最も重要な防災データです。
- 揺れやすさを知る
- 家庭の防災力を高める
- 自宅の耐震化に役立つ
- 避難判断の材料になる
- 地域の防災に活かせる
結論:
全国地震動予測地図は、未来の地震から命を守るための“科学的な羅針盤”。 防災士として、必ず一度は確認してほしい重要な防災情報です。

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