地震・津波・風水害・土砂災害など、あらゆる災害に備えるために
市町村が策定しているのが 「地域防災計画」 です。
実は、避難所の場所、避難の基準、災害時の体制、要支援者への対応など、
地域の防災のほぼすべてがこの計画に基づいて動いています。
「とりあえずハザードマップだけ見ている」では不十分で、
地域防災計画を知っておくと、より“命を守る行動”ができるようになります。
■① 地域防災計画とは?
地域防災計画とは、
市町村が災害に備えて作る、防災の総合マニュアル です。
災害対策基本法に基づいて作られ、
- 災害への備え
- 災害発生時の行動
- 避難所運営
- 住民の保護
- 復旧・復興支援
などがすべて網羅されています。
■② 誰が作っているのか?
地域防災計画は、
市町村の 防災会議 が中心となって作成します。
メンバーは以下の通りです:
- 市町村長
- 消防本部(消防職員)
- 警察署
- 自衛隊
- 交通機関
- 医療・福祉関係者
- 学識経験者
- 地域の代表者
まさに「地域の総力」で作られる計画です。
■③ 何が書いてあるのか?
地域防災計画の内容は広範囲ですが、住民が知るべき重要ポイントは以下です。
- 避難所の一覧・開設基準
- 要配慮者(高齢者・障がい者等)支援
- 津波避難・土砂災害の避難ルール
- 災害ごとの警戒レベルの運用
- 自主防災組織の役割
- 住民の自助・共助
- 災害時の情報伝達ルート
- 物資供給と救助体制
- 指定避難所の耐震・浸水情報
- 避難行動要支援者名簿の運用
避難の基準や仕組みは、すべてここに書かれています。
■④ なぜ地域防災計画を知るべきなのか?
理由はシンプルです。
あなたの命を守るルールを決めているのが地域防災計画だから。
- 避難所はどこが開設されるのか
- 車避難が可能か
- 浸水時の避難はどうなるのか
- 夜間の避難誘導の対応
- 要支援者の支援は誰が担うのか
- 物資がいつ届くのか
- 何日間自宅待機が想定されているのか
これらを知るだけで、“災害時の行動の質”が大きく変わります。
■⑤ ハザードマップとセットで理解することが重要
地域防災計画の内容は、
あなたが普段見るハザードマップと深く繋がっています。
- 浸水想定区域
- 土砂災害警戒区域
- 津波避難マップ
- 地震の揺れやすさ地図
これらは地域防災計画に反映され、
実際の避難判断のルールにも直結しています。
■⑥ 地域防災計画は“毎年”改善されている
地域防災計画は、作って終わりではありません。
- 最新の災害(熊本地震、能登地震など)の教訓
- 新たな被害想定
- 防災技術の進歩
- 住民意見の反映
- 高齢化や人口変化
- 自主防災組織の活動状況
これらを基に毎年見直され、アップデートされています。
■⑦ 住民が参加できる仕組みもある
多くの自治体では、
- 防災ワークショップ
- 避難所運営訓練
- 自主防災組織の活動
- 住民アンケート
などを通じて地域防災計画に住民が参加する仕組みがあります。
これは地域防災力を高める最大のチャンスです。
■⑧ 家庭でどう活かすべきか?
地域防災計画を知ることで、家庭の備え方が変わります。
- 家族が避難すべき避難所が明確になる
- 夜間・雨天・停電時の動きが見える
- 高齢の家族の避難支援を事前に準備できる
- 学校・職場と避難ルールを連携できる
- 自主防災組織との繋がりが持てる
「地域の仕組みを理解している家」は災害に圧倒的に強くなります。
■まとめ|地域防災計画は“あなたの地域の命を守る設計図”
地域防災計画は、
災害に備えるための“地域の設計図”であり、
避難所・避難方法・支援体制のすべてが記載されています。
- 避難ルールがわかる
- 家族を守る行動が変わる
- 地域の安全性が上がる
- 自主防災組織の役割が明確になる
- 最新の災害教訓が反映されている
結論:
地域防災計画は、あなたと家族の命を守る“地域の防災バイブル”。 防災士として、住んでいる自治体の計画を必ず一度は確認してほしいと強く思います。

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