地域の防災力は、市町村だけで作られるものではありません。
その中心となるのが 地域防災会議 です。
自治体、消防、警察、医療、交通、学校、住民代表などが集まり、
“地域の災害対策を総合的に決める会議体”として機能しています。
避難所の運営から災害時の情報伝達、要支援者支援まで、
地域の防災はここから動き出します。
■① 地域防災会議とは?
地域防災会議とは、
市町村が災害に備えるために設置する法定の会議体 です。
災害対策基本法に基づき、
地域の災害対策の方針・仕組みを話し合う場として置かれています。
■② どんな人たちが参加しているのか?
メンバーは非常に幅広く、
地域の防災を支える組織がすべて関わっています。
- 市町村長(会長)
- 消防本部・消防署
- 警察署
- 自衛隊
- 医療機関
- 福祉施設
- 交通機関
- 企業(インフラ・流通など)
- 学校代表
- 地域の自主防災組織代表
- 防災士・有識者
まさに「地域の総力」で防災を話し合う場です。
■③ 地域防災会議の役割
地域防災会議には、地域防災を強化するための重要な役割があります。
- 地域防災計画(市町村防災計画)の策定
- 訓練や避難所運営体制の整備
- 高齢者・障がい者支援の仕組み構築
- 物資調達・物流ルートの確保
- 災害時の情報伝達の仕組みづくり
- 危険箇所の把握と改善提案
- 地域の防災教育の推進
日常の防災から災害時の対応まで、全体を統括します。
■④ “地域防災計画”をつくる中心機関
地域防災会議が作り上げる最も重要な成果は
地域防災計画(市町村防災計画) です。
- 避難所の場所
- 避難の基準
- 支援の優先順位
- 要支援者の避難支援
- 防災情報の伝え方
- 災害時の役割分担
地域の防災はすべてこの計画に基づいて動くため、
地域防災会議は“防災の根幹”を作る役割を持っています。
■⑤ 災害時は“地域の指揮官”として機能する
災害時には、地域防災会議が中心となり
各機関の協力体制を統括します。
- 消防・警察・自衛隊との連携
- 避難所の開設判断
- 物資供給ルートの確保
- 医療・福祉の支援調整
- 地域の安全確認
- 救助活動の統合調整
地域レベルの“災害対策本部”としての役割になります。
■⑥ 住民が知らないと損する“重要ポイント”
地域防災会議が作る内容は、住民の生活に直結します。
- 避難所がどこに開設されるか
- 夜間の避難の対応
- 車で避難できる地域のルール
- 避難行動要支援者の支援体制
- 情報伝達(防災無線・LINE・メールなど)
- 自主防災組織の役割分担
- 地域の訓練の内容
これらを知るだけで、災害時の行動が格段に的確になります。
■⑦ 自主防災組織・町内会と連携する重要な場
地域防災会議は、
地域住民の防災活動(共助)と行政をつなぐ架け橋です。
- 自主防災組織の活動方針
- 地域巡回・見守りの強化
- 福祉避難室の運用方法
- 地域ぐるみの訓練計画
- 子ども・高齢者への支援体制
行政だけではできない「地域の力」を最大限に引き出します。
■⑧ 住民も参加できる仕組みが広がっている
最近では、住民が参画できる仕組みを取り入れる自治体が増えています。
- 公募委員として参加
- ワークショップ方式の計画づくり
- 避難所運営訓練への参加
- 防災アンケート
- 地域フォーラムで意見提出
“住民が作る防災”へと進んできています。
■まとめ|地域防災会議は“地域防災力を底上げする要の組織”
地域防災会議は、
市町村の防災を支える最重要の組織であり、
地域の安全を決める“司令塔”です。
- 各機関が連携して地域の防災を議論
- 地域防災計画の中心となる
- 災害時は地域の指揮所として機能
- 自主防災組織とも密接に連携
- 住民の命を守るための仕組みを作る
結論:
地域防災会議は“地域の命を守る司令塔”。 防災士として、この仕組みを理解し、地域の防災力向上に活かすことを強く奨励します。

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