富士山は日本を象徴する存在ですが、「活火山」であり、
今後100年以内に噴火が起きる可能性は十分にある とされています。
もし噴火すれば、首都圏・中部・関東全域に甚大な影響が及び、
交通、経済、ライフラインが麻痺する可能性があります。
富士山噴火は、地震と並ぶ日本最大級のリスクのひとつ。
ここでは、富士山噴火の特徴と備えについて防災士として分かりやすく解説します。
■① 富士山は“今も活動している活火山”
富士山は約300年前の宝永噴火(1707年)が最後の噴火ですが、
休んでいるだけで、活動が止まったわけではありません。
- 多くの火山性地震
- 地殻変動
- ガスの変化
- 内部のマグマ上昇の兆候
これらを気象庁が常に監視しています。
活動が静かでも、いつ再び噴火しても不思議ではありません。
■② 富士山噴火で想定される主な災害
富士山が噴火すると、複数の災害が同時に起きます。
- 火山灰(関東全域に降灰)
- 噴石の落下
- 溶岩流
- 火砕流(発生の可能性は低いがゼロではない)
- 火山泥流(大雨+火山灰で発生)
- 交通・物流の停止
- インフラの大規模障害
特に火山灰は、首都圏の生活を一気に止めてしまいます。
■③ 最も危険なのは“火山灰”
富士山噴火の最大の脅威は「火山灰」です。
- 1mm降るだけで道路が滑る
- 数cmで車が走れなくなる
- 電車・飛行機が停止
- 太陽光が遮られ暗くなる
- 水道施設のろ過装置が詰まる
- 電子機器が故障
- 呼吸器系への健康被害
- 都市全体で停電の恐れ
特に首都圏に灰が広がると、都市機能が大幅にダウンします。
■④ 宝永噴火(1707年)では江戸も降灰
1707年の宝永噴火では、
江戸(東京)でも数cmの降灰が積もった記録があります。
- 太陽がかすみ昼でも暗くなる
- 農作物が壊滅
- 建物が倒壊
- 道路が灰で埋まる
現代なら被害はさらに深刻になります。
■⑤ 首都圏に甚大な影響が出る理由
富士山噴火は、東京を中心に広範囲で生活が止まります。
- 電車・バスが長期間運休
- 高速道路・空港が停止
- 電気設備がショート
- 病院の発電装置に灰が侵入
- 水道のろ過機能停止
- ゴミ処理施設が機能不全
- 物流・宅配が止まる
日常生活が数週間〜数ヶ月レベルで混乱すると予測されています。
■⑥ 噴火は“数ヶ月にわたって続く”可能性がある
富士山噴火は、
1回で終わるとは限りません。
- 数週間〜数ヶ月続く
- 規模が変動しながら噴火
- 風向きで降灰範囲が毎日変わる
「地震のように一度で終わらない災害」と理解しておくことが大切です。
■⑦ 家庭で備えるべき“富士山対策”
富士山噴火は、地震対策とは少し違った準備が必要です。
- 防塵マスク(N95推奨)
- ゴーグル
- 火山灰を家に入れない対策(養生テープ等)
- 飲料水の多めの備蓄
- 車の保護(カバー・フィルター)
- ベランダ・雨どいの詰まり対策
- モバイルバッテリーの多重確保
- 灰で滑らない靴
- 雨天時の火山泥流に注意
特に 火山灰は“吸わない・触れない・室内に入れない” が基本です。
■⑧ 富士山周辺だけでなく“関東全域”が備える必要がある
富士山噴火は、山梨・静岡だけの問題ではありません。
- 東京
- 神奈川
- 千葉
- 埼玉
- 茨城
これらの地域でも、
交通・生活・経済が大きな影響を受けます。
自分の地域に降灰する想定で備えることが重要です。
■まとめ|富士山噴火は“日本の都市機能を止める可能性がある災害”
富士山噴火は地震と違い、
火山灰という“長期間の生活停止を引き起こす災害”です。
- 首都圏を含む広域で降灰
- 交通・物流・インフラが麻痺
- 健康被害・生活混乱が長期化
- 家庭ごとの備えが命を守る
- 火山灰対策が最重要ポイント
結論:
富士山噴火は“都市機能を止める災害”。 防災士として、首都圏を含めた広域の備えを日頃から進めておく重要性を強く感じます。

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