地震・津波・火災などの災害が発生すると、
日本国内にいる 外国人観光客は非常に弱い立場 に置かれます。
・日本語のアナウンスが分からない
・表示が理解できない
・避難ルートを知らない
・土地勘がない
・緊急時のマナーやルールが分からない
こうした状況の中で、私たち日本人が
“他者貢献として外国人をサポートする姿勢” は極めて重要です。
ここでは防災士として、
災害発生時に外国人観光客を安全に避難誘導するポイントを解説します。
■① 外国人観光客はなぜ“弱者”になるのか
外国人観光客は、災害時に次のような壁に直面します。
- 日本語が理解できない
- 見慣れない漢字・記号で戸惑う
- 避難所がどこか分からない
- 地名・区名が理解できない
- 行政放送が聞き取れない
- SNSの災害情報も読めない
つまり、
「情報が届かない」=命が守れない
という状況になりやすいのです。
■② “言葉が通じなくても助けられる”行動
完璧な英語が話せなくても大丈夫です。
必要なのは 伝える努力・寄り添う姿勢。
以下の短い英語で十分伝わります。
- “Danger! Please evacuate!”(危険!避難してください)
- “Come with me.”(一緒に来てください)
- “This way.”(こちらです)
- “Tsunami! Run!”(津波!走って)
指差し・ジェスチャー・地図の提示だけでも伝わります。
■③ 観光地で特に起こりやすい問題
観光地や繁華街では、次のようなリスクが大きくなります。
- 国籍がバラバラで情報伝達に時間がかかる
- 写真撮影中で危険に気づかない
- 避難せず「様子を見よう」と立ち止まってしまう
- 公共交通機関が止まり、移動手段を失う
- 津波避難の“意味”が理解されていない
→ 「避難の必要性」そのものを理解してもらうのが難しい のが現実です。
■④ 誘導時に使える“指差し+簡単英語”
避難誘導には短く、強く伝える表現が効果的です。
- “Stop! It’s dangerous.”(止まって、危険です)
- “Go to higher ground.”(高い場所へ)
- “Follow me.”(ついてきて)
- “Shelter is here.”(避難所はこちら)
- “Don’t use elevator.”(エレベーターは使わないで)
声の大きさより、
はっきりした指差し・手の動き が伝わりやすいです。
■⑤ こんな工夫をすると助けやすい
- スマホで翻訳アプリを使う
- 避難所の写真・地図を見せる
- 避難所名より“写真”で伝える
- 走るより、手招きで誘導(安心させる)
- 人が多い方向を示してあげる
特に地名が理解できない人には、
視覚情報で誘導するのが効果的 です。
■⑥ 外国人の“文化背景の違い”を理解する
外国人の中には、
- 地震を経験したことがない
- 津波を知らない
- 自国の避難ルールが日本と違う
- 避難より荷物を守ろうとする
- 靴を脱いで体育館に入る文化を知らない
といったケースがあります。
怒ったり急かしたりするのではなく、
文化差を理解しながら丁寧に行動誘導する ことが大切です。
■⑦ 実際の避難所で必要なサポート
避難所では、外国人に次のサポートが求められます。
- 多言語表示(英語・中国語など)
- 食物アレルギーへの配慮
- 宗教的な食事制限の確認
- トイレや水の場所説明
- ルール説明(整列・物資の順番など)
- SNSでの正しい情報の紹介
- Wi-Fiや充電場所の案内
特に 食事・宗教・言語 への配慮は重要です。
■⑧ “日本人の他者貢献”が外国人の命を守る
外国人観光客が多い地域では、
住民の行動が大きく結果を左右します。
- 困っている人に声をかける
- 手招きで誘導する
- 地図を見せてあげる
- 翻訳アプリで説明する
- 避難所まで同行する
特別な資格より、
「助けよう」という気持ち」 が最も強い効果を持ちます。
■まとめ|言葉より“行動”が外国人観光客を救う
外国人観光客は災害時に情報が届かず、
最も危険にさらされやすい立場です。
- 日本語が理解できない
- 地名やルールが分からない
- 避難の必要性が伝わりにくい
- 観光地は混乱しやすい
だからこそ、周囲にいる日本人の “他者貢献” が命を守ります。
結論:
外国人観光客への避難誘導は「言葉より行動」。 防災士として、指差し・手招き・簡単な英語で確実に身を守れる行動へ導くことを強く推奨します。

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