【防災士が解説】防災 × 避難情報が届かない問題|“情報は出ているのに守れない”深刻なギャップ

風水害の現場では、
「避難情報が出ていたのに亡くなってしまった」
という痛ましい事例が後を絶ちません。

これは、
避難情報そのものが住民に届いていない
という大きな課題が原因のひとつです。

ここでは防災士として、
風水害対策の課題⑦
「避難情報が住民に届かない人が多い」 を詳しく解説します。


■① 情報が出ていても“届かない人”が一定数いる

避難情報は国・自治体から確実に発信されていますが、

  • 高齢者
  • 外国人
  • 子育て中の家庭
  • 情報リテラシーが低い人
  • 夜間に就寝している人

といった層には“届いていない”ことが多いのが現実です。


■② 高齢者はスマホやアプリを使いこなせない

最も情報が届きにくいのが高齢者層です。

  • スマホの緊急速報に気づかない
  • 音が小さい・消している
  • 防災アプリを入れていない
  • 操作に慣れていない
  • 漢字が読みにくい

結果として大切な避難情報が
「視認も認識もできない」状態 に陥ります。


■③ 外国人観光客・在住者は“言語の壁”が大きい

日本の避難情報は、
まだ十分に多言語化が進んでいません。

  • 行政放送が日本語のみ
  • 避難所の案内も日本語中心
  • SNS情報も英語・中国語が不足
  • 地名が読めない、場所のイメージが湧かない

そのため外国人は
避難するべきかどうか判断できない 状態になります。


■④ 夜間は“通知に気づかない”

夜間は避難情報の伝達が特に難しくなります。

  • スマホをマナーモードにして寝ている
  • 行政放送が聞こえない
  • テレビをつけていない
  • 雨音で放送がかき消される

就寝中の家庭に情報が届かず、
避難が大幅に遅れてしまうケースが増えています。


■⑤ SNSのデマ・誤情報に惑わされる

避難情報が届いても、
実際にはSNSのデマで判断を誤ることもあります。

  • 「大丈夫らしい」といった曖昧な投稿
  • 過去の情報が拡散
  • 非公式アカウントの誤った警報
  • 地域外の情報が混じる

公式情報より、
“誤情報が早く届いてしまう” ことが課題です。


■⑥ 行政放送が聞こえにくい地域がある

防災無線は便利ですが、

  • 山間部
  • 高層マンション
  • 風が強い時
  • 豪雨で窓を閉めている時

などは音が届きません。

さらに、
「何を言っているのか聞き取りづらい」という声も多くあります。


■⑦ 住民側の“危機意識不足”

避難情報が来ても、

  • 「大丈夫だろう」
  • 「まだ避難するレベルじゃない」
  • 「去年も平気だった」
  • 「自分の家は安全なはず」

といった心理が働き、
避難行動につながらない ケースもあります。

情報が届いても、
“行動につながらない” というギャップが最大の課題です。


■⑧ 改善に必要なのは“複数の情報源”と“事前準備”

避難情報が届かない問題を解決するために、
住民ができることは多くあります。

  • スマホ緊急速報をONにする
  • 防災アプリを複数入れておく
  • 家族LINEに防災情報を共有
  • 高齢者世帯の見守り
  • 外国人に英語で声かけ
  • SNSは必ず“公式情報”を確認
  • 夜間はサイレントモードを解除して寝る

情報源を1つに依存しないことが重要です。


■まとめ|情報は出されている。問題は“届いていない人がいる”こと

風水害対策の課題⑦
「避難情報が住民に届かない」 は、
命に直結する大きな問題です。

  • スマホを使えない
  • 外国人に伝わらない
  • 夜間に気づかない
  • SNSの誤情報に混乱
  • 危機意識の不足

結論:
避難情報は“受け取りやすい環境づくり”が鍵。 防災士として、複数の情報源を確保し、周囲の人にも情報を届ける行動を強く推奨します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました