冬の停電は、地震・大雪・風災・設備故障など、あらゆる災害で発生します。
そして冬の停電が危険な理由は、
暖房が止まった瞬間から室温が急速に下がり、低体温症のリスクが一気に高まること。
防災士として言えるのは、
冬の停電は火災よりも「冷え」が命を奪う災害 だということです。
この記事では、冬の停電でまず最初にやること、家の保温方法、在宅避難のコツなどを、実践的に解説します。
■① 停電したら“暖房が再開しない前提”で動く
停電直後は、
「そのうち戻るだろう」と油断しやすいですが、
冬の停電は長期化するケースが多いです。
最初にやるべきこと:
- 部屋の暖房は復旧を“期待しない”
- 家族を一部屋に集める
- 防寒具をすぐ着る
- カーテンを閉めて熱を逃がさない
- ランタンや懐中電灯を準備
寒さは待ってくれません。
停電に気づいた瞬間に動くことが大切です。
■② 一番危険なのは“室温の急低下”
冬の室温は暖房が止まると30分〜1時間で急低下します。
特に危険な状況:
- 気温が0〜5℃
- 夜間
- 風が強い
- 木造住宅
- 隙間風が多い家
室温が10℃を切ると、子どもと高齢者は低体温症が現実的なリスクになります。
■③ 暖房が使えない時の“家全体の保温戦略”
まずは家の熱を守るために、次の行動を最優先。
- カーテンを閉める
- すきま風をタオルで塞ぐ
- 廊下など使わない場所を閉じる
- キッチンや浴室の扉を閉めて冷気を遮断
- 「一部屋集中」で生活
特に 「一部屋に集まる」 のは冬の停電で最も効果が高い対策です。
■④ 一部屋集中のコツ(生存率が大幅に上がる)
一番暖かい部屋を選びます:
- 日当たりが良い
- 風が当たりにくい
- 小さめの部屋
- カーペットや布団が敷きやすい
さらに以下を実践:
- 毛布や布団で壁や床を覆う
- 家族全員で横に並んで座る
- ペットも一緒に温め合う
- 断熱シートを活用する
特に床は冷えやすいので、「敷く断熱」が必須です。
■⑤ 体を温める“電気に頼らない”テクニック
冬の停電でも体を温かくできる方法は多くあります。
- カイロ(首・脇・太ももが最も効果的)
- ペットボトル湯たんぽ
- お湯を入れた鍋をタオルで包む
- マスクで体温流出を防ぐ
- 服を重ね着(空気の層が暖かい)
飲み物はできるだけ温かいものを。
カセットコンロがあると“命の暖房”になります。
■⑥ 冬の停電では“食料より暖かさ”が優先順位1位
食料が多少減っても命は守れますが、
寒さ対策が遅れると命に関わるのが冬の停電の特徴です。
優先順位:
- 暖かさ(防寒具・毛布・断熱)
- 安全(火災確認・ガス漏れ確認)
- 水
- 食べ物
- 情報収集(スマホ・ラジオ)
特に、子ども・高齢者・持病のある人は、寒さが最も危険です。
■⑦ 長期停電を見越した“夜の過ごし方”
冬の夜は極めて危険です。
- 暗い
- 気温が急低下
- 外に出られない
- 雪・凍結
安全に夜を越えるポイント:
- 就寝場所は“一番暖かい部屋”
- 毛布を上下に使う(二重構造)
- 湯たんぽを2〜3個準備
- 子どもは親の間で寝かせる
- ペットは近くで寝かせる
夜間の低体温は本当に危険なので、過剰なくらいの防寒が必要です。
■⑧ 停電が長引く場合“在宅の限界”を決める
停電が12時間〜24時間以上続くと、
在宅避難が困難になる場合があります。
以下の状態になったら避難を検討:
- 室温が10℃以下で改善しない
- 高齢者や子どもが震えが止まらない
- 水が凍結して使用できない
- 食事が作れない
- ガス漏れの疑いがある
- 体調が悪化
安全な避難所・親族宅・車などへ移動を。
■まとめ|冬の停電は“寒さが最大の危険”。初動で命が守られる
冬の停電は、地震や大雪以上に命への影響が大きい災害です。
- 一部屋集中
- 断熱対策
- 防寒具の確保
- 湯たんぽ・カイロ
- 暖房の代替手段
- 室温10℃を下回らない工夫
- 夜の防寒を徹底
これらができているだけで、生存率は大きく変わります。
結論:
防災士として、冬の停電は「寒さへの即行動」が命を守る最重要ポイント。暖かさの準備が、生き延びる鍵になります。

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