【防災士が解説】冬の視界不良|“見えない=危険が迫っている”冬の交通災害の隠れた脅威

冬は雪だけではなく、
視界不良によって事故・渋滞・立ち往生が一気に増える季節 です。

吹雪、白煙、ガラスの凍結、ワイパーの凍りつき…。
どれも視界を奪い、判断力を鈍らせ、重大事故につながります。

防災士として冬の交通災害を見てきた経験から断言すると、
視界不良はスリップ以上に危険な場面が多い です。

この記事では、冬の視界不良の正体と対策を解説します。


■① 冬の視界不良は“突然”やってくる

冬の視界不良の恐ろしさは、発生が急で、回避が難しいことです。

主な原因:

  • 吹雪(ホワイトアウト)
  • フロントガラスの凍結
  • ワイパー凍結・雪固着
  • 大粒のボタン雪
  • 雪煙(前の車が巻き上げる)
  • 濃霧
  • 夜間の照明反射(雪による乱反射)

特に“ホワイトアウト”は、
停止中でも自車位置が分からないほど視界ゼロ に陥ります。


■② ホワイトアウトは“最も危険な視界不良”

吹雪で真っ白になり、

  • 前が見えない
  • 線も標識も見えない
  • 歩行者も車も見えない
  • 自分が道路かどうかも分からない

という状態に。

ホワイトアウトでは、
ゆっくり走っても事故になる(追突・脱輪)
ため、走行自体が危険です。


■③ フロントガラスの凍結は“視界ゼロ”に直結する

冬の朝や停車中、ガラスが凍ると危険です。

よくあるNG行動:

  • 手のひらで無理やり拭く
  • お湯をかける(ガラス割れの原因)
  • 少しだけ見える隙間で走る

正しい対処:

  • 解氷スプレー
  • アイススクレーパー
  • defrost(除霜)機能
  • エアコンをON
  • ワイパーを立てておく

視界の確保は“出発前の最重要タスク”です。


■④ ワイパー凍結は危険のサイン

走行中にワイパーが固まると、

  • 雪が拭けない
  • ガラスが白く曇る
  • 視界が一瞬で消える

最悪、無理に動かしてワイパーモーターの故障につながります。

対策:

  • 停車時はワイパーを立てる
  • 氷雨や湿雪の日は特に注意
  • ガラスを温めてから動かす

■⑤ 夜間の視界不良は“昼間の3倍危険”

夜は路面の氷も見えにくく、
ヘッドライトが光を反射して雪煙が白く広がります。

  • 遠くが見えない
  • 歩行者が見えない
  • 路面と雪の境目が分からない
  • 対向車の光で一瞬見えなくなる

夜+雪+凍結は、
高確率で事故が起きる組み合わせです。


■⑥ 雪煙(スノースモーク)は後続車の天敵

前の車が巻き上げる雪煙によって、

  • 後ろの車は前がほぼ見えない
  • 車間が詰まる
  • 追突リスクが極端に上がる

雪煙の多い日は、
車間距離を通常の3〜5倍 にするのが安全です。


■⑦ 視界不良時は“運転しない”という防災判断が最も安全

視界不良は、スリップよりも防ぎにくい災害です。

こんな日は運転しない:

  • 吹雪の警報
  • ホワイトアウト注意喚起
  • 高速道路・国道の通行止め
  • 視界10m以下のタイミング

防災の視点では、
「移動しない=命を守る行動」 です。


■⑧ 走行中に視界不良になったらどうする?

もし視界が奪われた時は、以下の行動が最優先。

  • ハザードを点灯
  • 徐行で安全な場所へ避難
  • 路肩に完全停車しない
    (後続車が追突するため非常に危険)
  • 建物・駐車場・道の駅に避難
  • エンジンは雪で塞がれないよう注意

「止まる場所を間違える」ことが命に関わります。


■まとめ|視界不良は“見えない危険”。対策で事故を何倍も減らせる

冬は、視界が悪くなることで危険度が一気に上がります。

  • 吹雪
  • 凍結
  • 雪煙
  • 夜間の乱反射

これらはドライバーの判断力を奪い、重大事故に直結します。

結論:
防災士として、視界不良時は“運転しない・無理しない”を徹底してほしい。視界が確保できない状況は、最大級の交通災害リスクです。家族の安全のためにも、冬の運転はいつも以上に慎重に。

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