【防災士が解説】冬のチェーン装着|“命を守る最後の手段”を確実にできるようにしておく

冬の雪道や凍結路では、スタッドレスタイヤでも滑る状況があり、
そのときの最強装備が タイヤチェーン です。

大雪警報が出る地域では、
チェーン装着が義務になる「チェーン規制」 が実際に発令されます。

防災士として言えるのは、
チェーンは“普段使わないが、使う時は絶対に必要になる”防災アイテム です。
だからこそ、事前に使い方を知っておくことが命を守ります。


■① チェーンは“最後の防滑装備”

スタッドレスでは対応できない状況があります。

  • 圧雪のツルツル路面
  • 急坂
  • 氷の上
  • 豪雪の峠道
  • 立ち往生しやすい国道

こうした場所では、
チェーンの装着が唯一の安全策 になります。

特にチェーン規制では、
スタッドレスだけでは通行不可になるため必須です。


■② チェーンの種類を知っておく

チェーンにはいくつか種類があり、
選び方で扱いやすさが大きく変わります。

● 金属チェーン(最強のグリップ)

  • 凍結路に最も強い
  • 豪雪地帯向け
  • ただし装着はやや手間

● 非金属チェーン(ゴム・樹脂)

  • 装着が簡単
  • 乗り心地が良い
  • 多少高価

● 布製チェーン(緊急用)

  • 取り付け超簡単
  • 氷には弱い
  • 持っておくと応急処置として便利

防災的には、
使いやすい非金属チェーン + 応急布チェーン の組み合わせが最強です。


■③ “初めての装着が本番”は危険

チェーン装着が必要になるタイミングは、

  • 吹雪の中
  • 路肩の雪の上
  • 手がかじかむ気温
  • 車が動けない状況

こんな最悪の環境がほとんどです。

だからこそ、
必ず“事前に自宅で練習しておく”ことが超重要です。

1回練習しておくだけで、本番のストレスが劇的に減ります。


■④ 装着前のチェック(超重要)

チェーンを使う前に、必ず確認します。

  • タイヤサイズとチェーンが合っているか
  • 部品が欠けていないか
  • 装着方向が合っているか
  • 取扱説明書を車に常備

冬に起こるトラブルの多くは、
「チェーンサイズが合ってない」ことが原因です。


■⑤ チェーン装着の基本ステップ

一般的な非金属チェーンの手順を簡単にまとめます。

  1. 車を安全な場所に停める(平坦・路肩は避ける)
  2. サイドブレーキをかける
  3. チェーンをタイヤの上にかぶせる
  4. 下側を固定する
  5. 車を少し動かしてチェーンを全周巻く
  6. ロック・バンドを締めて固定
  7. 数メートル試走して再度締め直す

これが基本の流れです。


■⑥ チェーンの装着場所(前輪 or 後輪)

駆動輪につけるのが原則です。

  • FF車(前輪駆動) → 前輪
  • FR車(後輪駆動) → 後輪
  • 4WD → 前輪が推奨(車種による)

説明書に必ず従うことが大切です。


■⑦ 走行中の注意点

チェーンをつけたままの走行は制限があります。

  • 最高時速は30km目安
  • アスファルトは極力走らない
    (チェーンが破損)
  • 揺れや振動は正常
  • 段差を避ける
  • カーブはゆっくり曲がる

チェーンは“滑らない代わりに、車に負荷がかかる装備”です。


■⑧ チェーンを使わない時の保管も重要

濡れたままだとサビ・劣化につながります。

  • 使った後は必ず乾かす
  • ゴムチェーンは紫外線に注意
  • 車のトランクに常備する

防災的には 「冬は溝の浅い箱に入れて車に入れっぱなし」が最適 です。


■まとめ|チェーンは“厳冬時の命を守る装備”。事前準備がすべてを決める

チェーンは普段は使いませんが、
必要な時は「チェーンがあるかどうか」で安全度が大きく変わります。

  • スタッドレスでも限界はある
  • チェーン規制は本当に通れない
  • 初めての装着が本番は危険
  • 雪・凍結・坂道では最強装備
  • 事前の練習が命を守る

結論:
防災士として、冬のチェーン装着は“必修スキル”と言えるレベルで大切です。大雪のとき、家族を守れるのはあなたの準備と判断です。

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