地震・豪雨・停電――どんな災害でも、
真っ先に困るのが「トイレが使えない問題」です。
私は【元消防職員・防災士】として被災地に派遣されてきましたが、
避難所や自宅避難で最も深刻だったのが、
「トイレが詰まる」「臭う」「使えない」ことによる健康被害とストレスでした。
💡 なぜ“トイレ対策”が防災の最優先事項なのか
1️⃣ 水道が止まるとトイレも止まる
下水が機能しなければ、水を流すと逆流や悪臭が発生します。
2️⃣ 避難所ではトイレ渋滞が起きる
人数に対してトイレが足りず、長蛇の列に。
結果、我慢して体調を崩す人が続出。
3️⃣ 感染症のリスクが高まる
汚物の処理が不十分だと、ノロウイルスなどの二次災害につながります。
✅ 防災士がすすめる“家庭のトイレ備蓄セット”
1️⃣ 簡易トイレ（凝固剤タイプ）
1人1日5回 × 7日分が理想（家族4人なら140回分）。
袋にセットし、用を足したら凝固剤を入れて処理。
2️⃣ 防臭袋・消臭剤
臭いと衛生トラブルを防ぐ必需品。
3️⃣ ウェットティッシュ・トイレットペーパー
断水時でも使える。芯なしタイプが省スペースで便利。
4️⃣ プライバシーテント・段ボールトイレ
避難所や車中泊で使える簡易空間。女性や子どもも安心。
5️⃣ 手指消毒用アルコールジェル
排泄後の感染予防に必須。
⚠️ よくある失敗例
- 「バケツで代用すれば大丈夫」と考えて準備しなかった
- 使用回数分の凝固剤が足りず途中で使えなくなった
- 消臭袋をケチって異臭・虫発生
💡 対策：
「使い方を家族で一度試しておく」ことが大切。
非常時に初めて使うと、うまく処理できずトラブルになります。
🌍 被災地の実例：トイレが原因で避難所を離れた人も
九州北部豪雨では、避難所のトイレが汚れて使用不能となり、
「自宅の簡易トイレの方が安心」と家に戻る人が相次ぎました。
一方で、あらかじめ簡易トイレを備えていた家庭では、
「水よりもトイレの方が重要だった」と語る人が多く、
実際にトイレ対策の有無が避難生活の快適さを大きく左右しました。
💬 防災士からのメッセージ
トイレは「恥ずかしい」「後回し」になりがちですが、
命と尊厳を守る防災の基本です。
特に女性・高齢者・子どもにとって、
トイレ環境は「安心して生きる」ための最重要ポイント。
🔋 まとめ：トイレ対策は“最初の防災”
- 1人あたり1日5回×7日分を目安に備蓄
- 凝固剤・袋・消臭剤の3点セットで管理
- 家族全員で使い方を練習しておく
災害時、「トイレが使える家」は最強の防災拠点になります。
清潔と安心を守るトイレ対策を、今日から始めましょう。
【元消防職員・防災士】として、
私は“トイレを制する者は、防災を制する”と伝えたいです。
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