ここ数年、日本では「これまで経験のない災害」が毎年のように起きています。
豪雨・猛暑・大型台風・記録的な暖冬・突風・雷・線状降水帯——。
背景にあるのは、確実に進む 地球温暖化による気象変動 です。
防災士として感じているのは、
「気候は昔に戻らない。これからの災害は“新常態”として備えるべき」
ということです。
この記事では、温暖化がどのように災害を増やしているのか、そして私たちにできる備えを解説します。
■① 地球温暖化は“確実に進んでいる”という事実
観測データから見ても、地球温暖化は明確です。
- 世界平均気温は上昇し続けている
- 過去10年は観測史上最も暑い年代
- 日本の平均気温も100年で約1.3℃上昇
- 海水温上昇で台風が大型化
- 冬の寒さが弱まり、季節のバランスが崩れている
気温1℃の上昇は、
災害の発生確率を何倍にも引き上げる影響力 があります。
■② 気象変動によって増えている災害
温暖化⇒気候変動は、災害の内容と規模を大きく変えています。
- 豪雨災害の頻発(線状降水帯)
- 大型台風の増加
- 河川の氾濫リスク上昇
- 猛暑・熱中症の増加
- 冬の豪雪の偏り(大雪と雪不足の極端化)
- 竜巻・突風の増加傾向
- 海面上昇による浸水被害
特に「1時間に50mm超の豪雨」は40年前の約2倍以上に増えています。
■③ 温暖化が災害リスクを高める“仕組み”
なぜ温暖化すると災害が増えるのか?
理由は科学的に明確です。
●1)空気が暖かいほど水蒸気を多く抱える
⇒ 雨雲が急激に発達し、豪雨になりやすい。
●2)海が温まる
⇒ 台風が強まり、エネルギーが増大。
●3)気圧配置が乱れる
⇒ 暴風雪・寒波の偏り・異常気象が増える。
●4)高温化で地面が乾燥
⇒ 山火事・森林火災の増加。
●5)海面上昇
⇒ 沿岸部の高潮・浸水被害が拡大。
どれも日常生活に直接影響する重大問題です。
■④ 日本は“気象変動の影響を特に受けやすい国”
日本が特に影響を受けやすい理由があります。
- 四季がはっきりし気温差が大きい
- 台風の通り道
- 山地が多く雨が集中しやすい
- 海に囲まれて湿度が高い
- 都市のヒートアイランド現象
- 地震・火山も多く複合災害が発生しやすい
「温暖化 × 日本の地形」は、災害増加の強い組み合わせです。
■⑤ 今後の日本で想定される“未来の気象リスク”
今後さらに増えると予測されています。
- 毎年の猛暑日40℃超え
- 豪雨災害のさらなる増加
- 台風の巨大化・長寿命化
- 冬の豪雪の偏り(豪雪地域の再定義)
- 水害の発生地点が広域化
- 農作物への影響や食料問題
- 気温変動による健康リスク
「昔はこんなことなかった」が当たり前に変わっていきます。
■⑥ 個人ができる“気象変動への備え”
未来の災害は避けられません。
だからこそ、私たちの備えが重要です。
- ハザードマップを確認
- 避難所・避難経路を家族で共有
- 防災バッグを季節に応じて見直す
- 在宅避難の備蓄を1週間以上へ
- 停電対策(暖房・電気・水)
- 情報源(アプリ・ラジオ)の確保
- 家屋の耐水・耐風対策を強化
気象変動は“いつか”ではなく“すでに進行中”の問題です。
■⑦ 温暖化時代は“家の防災力”がカギ
異常気象の時代では、住宅の強さが命を左右します。
- 雨漏り対策
- 強風に強い屋根・窓
- 浸水防止(止水板・土のう)
- 断水・停電への備え
- エアコン・暖房の代替手段
- 太陽光やポータブル電源の活用
災害の頻度が増えるほど、家そのものの備えが重要になります。
■⑧ 気象変動を正しく理解することが“最大の防災”
気象変動は、
「怖れるべきもの」ではなく
「知って備えるべきもの」です。
- 科学的データを知る
- 自分の地域のリスクを理解する
- 気象情報を常にチェックする
- 季節ごとの備えをする
- 家族で話し合いをする
これが、気象変動時代の新しい防災です。
■まとめ|温暖化時代の災害は“新常態”。備えが家族を守る
地球温暖化は確実に進み、それに伴う気象変動で災害が増えています。
- 豪雨・台風・豪雪が激化
- 気温上昇が災害リスクを押し上げる
- 日本は特に影響を受けやすい
- 未来の災害リスクはさらに上昇
- 個人の備えと住まいの防災力がカギ
結論:
防災士として、気象変動を“避けられない時代の前提条件”として受け止め、日常から備えることが家族の安全につながると強く感じています。

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