テレビやニュースでよく聞く「エルニーニョ」「ラニーニャ」。
気象用語に聞こえますが、実は 日本の災害リスクを大きく左右する重要な現象 です。
防災士として感じているのは、
「この2つの現象を知るだけで、季節ごとの備えが圧倒的に変わる」
ということです。
この記事では、日本にどんな影響があるのか、災害とどう関係するのかをわかりやすくまとめます。
■① エルニーニョ現象とは?
エルニーニョは、
「太平洋の赤道付近(東側)の海水温が平年より高くなる」 現象です。
●日本の気象への主な影響
- 夏:冷夏になりやすい
- 冬:暖冬になりやすい
- 秋雨前線が活発
- 台風は日本に接近しにくい
- 大雨が多くなる傾向
海の温度が“いつもより高い場所”に偏ることで、世界中の天候が変わります。
■② ラニーニャ現象とは?
ラニーニャは、
「太平洋の赤道付近(東側)の海水温が平年より低くなる」 現象です。
●日本の気象への主な影響
- 夏:猛暑になりやすい
- 冬:寒冬・大雪になりやすい
- 台風が日本に接近・上陸しやすい
- 豪雨が増える傾向
エルニーニョと逆の動きをして、極端な気象を引き起こすことがあります。
■③ なぜ海水温の変化が日本の天気に影響する?
理由は 大気と海がセットで動く からです。
- 海水が暖まると、その上の空気が上昇 → 雲ができやすい
- 海水が冷えると、空気が沈みやすい → 乾燥しやすい
- 上昇気流の場所が変わると、ジェット気流が蛇行
- ジェット気流の流れ方で、日本の天気パターンが大きく変わる
つまり海の変化は、雨・風・気温すべてに直結します。
■④ 災害リスク(エルニーニョ時)
エルニーニョの年は、以下の災害が増えやすいです。
- 短時間大雨・線状降水帯の発生
- 土砂災害の増加
- 台風の進路が偏り“長距離で停滞”
- 冬の暖冬で雪が雨に変わり、雪崩が増加
- 空梅雨・長雨の極端化
- 海の高温による漁業への影響
特に日本では 大雨型の災害が増える傾向 にあります。
■⑤ 災害リスク(ラニーニャ時)
ラニーニャ発生時は、災害の種類が大きく変わります。
- 猛暑 → 熱中症の急増
- 冬の大雪・寒波
- 日本付近で台風が発達しやすい
- 豪雨・洪水が増える
- 農作物への寒暖差ダメージ
特に冬の 大雪・交通障害・停電 リスクが高くなります。
■⑥ 家庭でできる“エルニーニョ時の防災”
- 大雨対策を強化(側溝・雨樋の掃除)
- 土砂災害警戒区域の確認
- 車の冠水対策(立体駐車場・高所駐車)
- 在宅避難用の備蓄確認
- 高温による食品価格高騰に備える
- 夏が涼しい場合は暖冬対策を前倒し
「雨への備え」が最優先です。
■⑦ 家庭でできる“ラニーニャ時の防災”
- 熱中症対策(家・車・学校)
- 大雪対策(スコップ・融雪剤・冬タイヤ)
- 暖房器具・灯油の早期確保
- 停電時の防寒セット(毛布・カイロ)
- 台風備蓄の強化
- 夏の節電・断熱対策
「暑さ・寒さ・大雪・台風」に同時対応する必要があります。
■⑧ エルニーニョ/ラニーニャは“防災カレンダーの基礎情報”
気象庁が毎月発表する監視速報は、防災にとって非常に重要です。
- 季節の備えを前倒しできる
- 備蓄・燃料・暖房器具の準備が早くなる
- 台風や豪雨の発生傾向が読める
- 家庭や職場で計画的に対策できる
「現象を知る → 備える → 守る」
これが防災士として最も重要な流れです。
■まとめ|海の変化を知ることは“命を守る天気の読み方”
エルニーニョ現象とラニーニャ現象は、
日本の気象と災害に大きな影響を与える要因です。
- エルニーニョ→大雨・暖冬・停滞台風
- ラニーニャ→猛暑・大雪・強い台風
- 日本は世界でも影響を受けやすい
- 家庭の備えが季節ごとに変わる
- 毎月の監視速報をチェックする価値は大きい
結論:
防災士として、エルニーニョとラニーニャを知ることは“季節ごとの災害を予測し、家族を守る最もシンプルな防災”だと強く感じています。

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