台風で最も多い生活被害が、
停電・断水・物流ストップ の3つです。
これらが同時に起きると、数日間の生活が一気に困難になります。
防災士として現場を見てきた経験から、
台風は風雨だけでなく「生活が止まる災害」であること を強く実感しています。
今回は、台風時に家庭が確実に生活を維持するための実践的な備えをまとめます。
■① 停電に備える「光の確保」は最優先
停電時、最初に必要になるのが 照明 です。
家庭で必ず備えておきたいもの:
- LEDランタン(必須)
- ヘッドライト(両手が使える)
- 懐中電灯(予備)
- 単3・単4電池(多めに)
※ロウソクは二次災害の火災リスクがあるため推奨しません。
部屋ごとに小型ランタンがあるだけで、夜間の不安は大幅に減少します。
■② 冷蔵庫停止の“食材ロス”を防ぐ方法
停電時に最も困るのが 冷蔵庫の温度上昇。
停電対策として、
- 前日から冷蔵庫を「強」に設定
- 冷凍庫は“80〜100%”詰めておく
- 氷・保冷剤・凍らせたペットボトルを大量に準備
- 冷蔵庫は極力開けない
- 肉や魚は停電前に“冷凍”して延命
冷蔵庫は“閉め切れば4〜6時間はある程度持つ”ため、
開閉を控えることが最も重要です。
■③ 断水を見越した「水の確保」は早めに行う
台風後は、
- 断水
- 水道管破損
- 浄水場の停電
- 水の濁り
が必ず発生します。
家庭で備える水は、
- 飲料水:1日1人2〜3L
- 生活用水:バケツ・浴槽にためておく
浴槽の水は
トイレの排水・洗い物・手洗いに使える“生活の命綱” になります。
■④ ガス・電気が使えない時の調理方法を確保する
台風後の停電で調理ができないケースは多いです。
必須装備:
- カセットコンロ
- 予備ガス(最低3〜5本)
- レトルト食品
- 缶詰
- お湯だけで食べられる乾燥食品(スープ・パスタ等)
停電が2〜3日続いても問題ない食材を揃えておくと安心です。
■⑤ 物流ストップに備えた“3日〜1週間”の備蓄
台風後は、道路寸断・店舗の停電・入荷遅延により
買い物ができない状態が続くことがあります。
備蓄すべきもの:
- 水・食料(3〜7日分)
- カセットボンベ
- トイレットペーパー
- ティッシュ・ウェットティッシュ
- 生理用品
- ペット用品
- 予備の電池・モバイルバッテリー
- 子どものおやつ・粉ミルク
子どもがいる家庭では特に「消耗品」を多めに確保しておくと安心です。
■⑥ トイレ問題への備えは“生活ストレス”を減らす
断水・停電でトイレが使えない家庭は多く、
これを軽視すると生活の質が大きく落ちます。
備えておくもの:
- 簡易トイレ(凝固剤入り)
- 大きめのゴミ袋
- 消臭袋
- トイレ用ウェットシート
特に子どもや高齢者のいる家庭では、
トイレの確保=生活の安定 です。
■⑦ 熱中症や体調不良を防ぐ“寒暖差対策”
夏台風=停電 → エアコン停止
冬台風=停電 → 暖房停止
どちらも危険です。
対策:
- 夏:冷却タオル、保冷剤、窓の遮光
- 冬:毛布、寝袋、カイロ
- 季節共通:飲料水の十分な確保
停電中の暑さ・寒さは、思った以上に体力を奪います。
■⑧ 子ども・高齢者・要支援者への配慮
避難よりも早く対応すべきポイントです。
- 子どもの安心材料(おもちゃ・絵本)
- 高齢者の薬・お薬手帳
- 障がい者用の必要アイテム
- 妊婦さんの休める環境
- ペットの食料と避難用品
家庭ごとに必要なものは違うため、事前チェックが重要です。
■まとめ|台風は「生活が止まる災害」。生活を守る準備こそ最大の防災
台風は自然の力で壊れるだけでなく、
停電・断水・物流ストップという“生活インフラの停止”を引き起こす災害 です。
- 光・食事・水・トイレの確保
- 冷蔵庫対策
- カセットコンロ常備
- 季節に応じた体調管理
- 子ども・高齢者への配慮
結論:
防災士として、台風は“生活維持の準備”が被害を最小限にする鍵。日頃の備えが、家族の安心と安全を確実に守ります。

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