台風の被害を大きく左右するのが 家屋の強さ です。
屋根が飛ぶ・窓が割れる・浸水する──こうした事態は、台風のたびに全国で起きています。
防災士として現場を見てきた経験から断言できます。
家の備えが十分な家庭ほど、台風後の生活が安定している。
この記事では、台風に強い家にするための“家屋防災の専門ポイント”を詳しく解説します。
■① 屋根は台風で最も被害を受けやすい場所
台風被害の中でも特に多いのが 屋根の飛散・破損 です。
チェックすべきポイント:
- 瓦のズレ・割れ
- 棟(むね)部分の緩み
- 太陽光パネルの固定
- 雨どいの詰まり
- 2階屋根の浮き
屋根は素人点検が難しいため、1〜2年に一度は専門業者の点検 を推奨します。
■② 飛来物で壊れやすい「窓」は最優先で守る
台風の被害で最も多いのが 窓ガラス破損。
窓対策の基本:
- 飛散防止フィルム
- 養生テープでは“全面補強”が理想
- 雨戸・シャッターがある家は必ず閉める
- カーテンは昼でも閉めておく
- 窓際に物を置かない
窓が割れると室内に風が入り、家の損壊が一気に加速します。
■③ ベランダ・庭の飛散物は家屋被害の“真犯人”
台風では“飛んでくる物”が家屋を壊します。
飛散しやすい物:
- 植木鉢
- 物干し竿
- ゴミ箱
- キャンプ用品
- サンダル
- 子どもの遊具
- 自転車(強風で倒れる → 風で滑る)
台風前は 「外の物をゼロにする」 と決めてください。
■④ 外壁のひび割れや老朽化は“雨漏りの入口”
外壁が劣化していると、台風の雨と風で一気に浸水します。
チェックポイント:
- 外壁のひび割れ
- コーキングの劣化(窓周り)
- 塗装の剥がれ
- 玄関ドア周囲の水の侵入
外壁の劣化は、見た目以上に雨水が侵入しやすい危険な状態です。
■⑤ 家の浸水は「床下」から始まる。防水対策が命綱
台風で多いのが 床下浸水。
水が床下に入ると、
- カビ発生
- 断熱材の劣化
- 配線トラブル
- 異臭
- 修理コストが高額化
など、長期的な被害につながります。
家庭でできる浸水対策:
- 玄関前・勝手口に土のう(または水のう)
- 排水口に“逆流防止キャップ”
- ベランダ排水溝の掃除
- 床上げできる家電は上に移動
塀の隙間を埋めるだけでも浸水量が大きく変わります。
■⑥ 雨どいの詰まりは“意外に多い浸水原因”
雨どいが詰まっていると、水が横から溢れ、
住宅の壁・床下に大量の水が流れ込みます。
台風前にやるべきこと:
- 落ち葉を取り除く
- 雨どいの角(曲がり部分)を清掃
- 屋根の排水経路を確認
雨どい清掃は、家庭でもできる最強の浸水対策です。
■⑦ カーポート・物置は台風で倒れやすい
台風では、カーポートや物置が大きく損壊します。
対策:
- カーポートの柱の固定
- 屋根材の割れ・浮き
- 物置のアンカー強化
- シャッターの鍵を確認
強風でカーポートが“持ち上がる”被害は毎年発生しています。
■⑧ バルコニーの排水を確保する
バルコニーの排水口が詰まると、
水が溢れて室内に浸水することもあります。
チェック:
- 排水口のゴミ除去
- 排水溝周囲の汚れ
- プランターの置きすぎを減らす
ベランダの浸水は、防げる被害の代表例です。
■まとめ|家屋の備えは「被害ゼロ」に近づくための最重要ポイント
台風は自然の破壊力そのものですが、
家屋の備えがある家庭ほど被害を最小限に抑えられます。
- 屋根・外壁・窓を点検
- 庭やベランダの飛散物ゼロ化
- 浸水対策
- 雨どい清掃
- カーポート・物置の固定強化
結論:
防災士として、家の備えは台風被害を大幅に減らす“最も効果的な防災行動”。1つの対策が、大きな損害を確実に防ぎます。

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